獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200409-20

2題
投稿日 2004年9月3日(金)22時56分 投稿者 はたの

他犬に吠えること。
 スタート地点が違います。イヌは、自分の縄張り内で他のイヌと会えば、吠えるのが基本です。相手にとってもそこは「自分の縄張り」ですから、放っておいたらケンカになるのが当たり前です。イヌといのは本来そういう生き物なんです。
 中には吠えないイヌもいます。多くは、高度に改良された洋犬です。吠えないように作り変えられてきたわけです。
 とはいっても、洋犬でもイヌ本来の誇りを持つ個体もあり、むろんパリア犬タイプなら当たり前のこととして、吠えるわけです。
 それが本来なんですから、吠えるなとしかってもダメです。吠えたい気持ちを抑えるのは無理です。ヒトだって、誰かに殴りかかられたら、反射的に手で顔をかばったりしますよね。それと同じことですから。
 が、吠えないという「行動」を教えることは可能です。
 「対立行動分化強化」といいます。
 「ソレ」をやっていたら吠えることができない行動を教えて、下命によりソレを行うようにするわけです。何かモノを咥えるとかですね。
 ソレを、吠えたい気分でないときにしっかり教えておいて、他犬が現れたら、イヌが気づく前にヒトが察して「咥えろ」とかやるわけです。

 しかし、本能に逆らおってんですから、簡単ではありませんし、きつく訓練をいれるとさまざまな弊害もありえます。
 まずは飼い主が、吠えるのはしつけがなってなくてはずかしい、という意識を捨てて、よしよしがんばっとるなあ、ぐらいのおおらかさを持つのがスタートでありましょう。

アレルギー。
親御さんが腹を決めることでしょうね。言い換えれば、お子さんのアレルギーが悪化してもイヌを出さない覚悟を持つこと。どうしようもなくなったらイヌをご自身の手で殺す覚悟を。
 そこまでの覚悟があれば情報に迷うこともありません。

 私自身、幸いにも食べ物には反応がありませんが、接触に関してはパッチテストにあるほとんどの物質に+とか++とかです。忌避していたら生きていけません。そういう体質なんですから、うまく折り合いをつけて生きていくしかないんです。
 医学的にはまめな掃除云々なんでしょうけれど、メンタル含めたら、さて。「オマエはアレルギーなんだから・・・」と教えるのと、「少々の不潔ぐらい気にするな」とタフに育てるのとどちらがいいかは微妙なところです。幼児自動のアレルギー悪化の最大の原因は親の気にしすぎですからね。幸いにも、今は対処療法で反応は抑えられます。QOLは維持できます。アレルギーを恐れて生活からアレを排除しコレを排除し、という窮屈な人生が楽しいものかお考えあれ。
 「先生」の言われることは医学的正解かもしれませんが、人生の正解とは限りません。
 対処療法がないか実施が困難な、クリティカルな原因物質でない限り、個人的には排除は勧めません。いろんなリスクを引き受けるのが生きるってことでしょう?


◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。