獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200409-21

亊薫さんへ & しのさんへ
投稿日 2004年9月3日(金)23時01分 投稿者 パールちゃん

イヌは群れ動物≠ナす。
集団で暮らして、その集団内での順位のことをイヌはいつも考えて行動します。
一人暮らしの飼い主に1匹だけで飼われているイヌ、それも群れ≠ナす。
・・ということをまず頭に置いてください。

出会った犬や人に愛犬が吠えるときには段階的な感情の高まりがあります。
いちばん軽いのは「おまえはどこの誰だ? わんわん」
次のレベルが「おまえはいいやつか? わるいやつか? わんわん」
この程度までの感情には相手に対する恐れや威嚇はそれほど込められていません。
いわば挨拶代わりの吠えです。
ところがこの時点で飼い主が吠えを制止しようとしてしまうことが多いのです。
「こらっ」「やめなさいっ」「静かにしなさいっ」と。
ところが犬はこれを制止の意味だとは受け取りません。逆に受け取ってしまうのです。
飼い主がジタバタとあわてて「こらっ」「やめなさいっ」と言うとき、
犬はそれを「よしっ」「いいぞ」「もっと吠えろ」だと受け取ります。
リーダー(飼い主)からの励ましだと受け取ってしまうのです。
リーダー(飼い主)からの励ましを受けて犬はますます吠えます。
あちこちの街角でこの悪循環が繰り広げられているのです。
抱き上げるのはよくないということはりんママさんが書かれたとおりです。
高い位置に置かれて相手を見下ろす、飼い主にピッタリくっついている、
抱き上げられたポジションは犬にとって「はい、了解、もっと吠えます」なのです。

吠えるのをやめさせたいときは犬を叱ってはいけません。
抱き上げるのもいけません。
リーダーは無言のまま「あの犬(人)に吠える必要はないよ」と態度で示してあげるのがいいのです。
具体的には、無言・歩調は一定・相手の犬(人)を見ない・愛犬の目も見ない、などです。
愛犬は相手の犬(人)を気にして何度も振り返ったり吠えつづけたりするでしょう。
でも、リーダーは無言で歩調は一定のまま、真っ直ぐ前を見て歩いてください。
肢を踏ん張って立ち止まったり、相手のほうに行こうとしてリードを引っ張ったりするでしょう。そんなときはリードをグイグイグイグイ引っぱって犬をズルズル引きずるのではなく、
クイッ・・クイッ・・とリズミカルにリードを張ってください。
犬に「こっち、さぁ、こっち」という信号を送る感じで。

むずかしそうに思えるかもしれませんが、こまかいワザは必要ないです。
あなたが相手の犬(人)を気にしないこと!
この一言に尽きます。
愛犬を吠えなくさせるのは【あなた次第】なのです。


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