獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200409-59

親子交配での血統書
投稿日 2004年9月17日(金)12時26分 投稿者 プロキオン

血統書というのは、犬の戸籍のようなものですから、血統書を発行してい
る団体に登録されている犬同士における交配によって、出産されたことが
確認できれば、発行を拒否されることはないように思います。

でも、ひとつお尋ねしたいのですが、生まれた子犬を販売するような目的
から血統書を必要とされているのでしょうか?

先に述べましたように血統書は戸籍であって血縁関係が記載されています。
つまり、申請して発行された血統書には、「父親とその娘との間の子」と
いう事実が記載されているわけで、辛らつな表現を用いれば、「いいかげ
んな交配によって生まれてしまった犬」というレッテルにもなりかねない
のです。( 表現が不穏当で申し訳ありません )
無論、血統書には、このような直接的な表現はありませんが、両親の名号
が記載されているのですから、血統書に興味を持つ人であれば、じきに気
がつくように思います。繁殖者にとっては、マイナスの評価に繋がること
のように考えられます。
ですから、血統書を申請する行為に どのような意味ががあるのか判じか
ねているのです。
もしも、繁殖者としての評価云々よりも、生まれてしまった子犬達に居場
所(戸籍)をつくってあげるということを優先されてのことであれば、そ
れは評価できるように思います。

私の実家で飼育していたマルチーズも、両親は別々のショップからの購入
だったのですが、伯父と姪の組み合わせになってしまい、健康な子も生ま
れましたが、奇形を伴った子も生まれました。
引き取り手がなく実家に来た子は、奇形の子ではなかったのですが、やは
り生まれつき心不全をもっていました。父方の血統に問題があるようで、
血縁関係にある他の犬にも同じ疾患が見られています。
外観に異常は認められなくても、遺伝する疾病もあるのです。

血統書は、本来、品種毎のスタンダードを求めるためのものですが、同時
に その過程で生じる疾患の発生を未然に防止することにつかってこそ、
意義があります。
「ほら、この血統書のとおりに親子交配で生まれてきた犬達なので、繁殖
には使わないで!」というための血統書であって欲しいと考えます。


>もし出来るのであれば出産してから父のDNA登録をしても大丈夫でしょ
 うか?

こちらの意味は、もっと分からないのですが、DNAによる親子関係の
鑑定サービスのことでしょうか?
それとも、遺伝子による疾患の検査のことでしょうか?

DNAによる遺伝病の検査対象となっているのは、「フォスフォルクト
キナーゼ欠損症」、「フォン・ウイルブランド病」、「進行性網膜萎縮
」の3つ疾病が現在のところの対象であり、かつ、検査した方が良いと
される犬の種類もそれぞれ範囲があるように考えておりますが。

それとも、海外でよくある単純に飼い犬の遺伝子を凍結保存しておくサ
ービスのことでしょうか?



◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:「ペット用品販売」「犬の快癒整体」OrangeCafe様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。