イヌ掲示板過去発言No.1100-200601-10
re: M・ダックスのワクチンと |
投稿日 2006年1月8日(日)11時59分 投稿者 プロキオン
けりーずはうす先生、横レス、ごめんなさい。 ノアールさん、生後早い時期に接種するワクチンは、あまり信用されない方がよろしい ですよ! ワクチンメーカーは、どうしても早い時期から接種可能というワクチンに熱心なのです が、今までの過去の経緯が、どうも成績として期待どうりではありません。今、新しく 流通している製品も、結構低いタイターの移行抗体にブレイクされてしまうという調査 報告もあります。 また、私の住む県でも、疾病に罹患している犬を販売してしまっているというペットシ ョップが2店舗ほど獣医師仲間では知られています。これらの店では生後1ヶ月くらい でワクチンを接種しています。これらのワクチン接種済みでありながら発病してしまっ た患者を持ち込まれた病院の方でも、まったく効果がないわけではないから、治療への 反応も早く、楽だとは言っています。 病院がウイルスで汚染されたくないと言って、ワクチンを接種したショップ関係のある 先生の病院へ送りつける獣医師あり、治療が楽なのだから、そのまま入院いして居ても いいよという獣医師もありでです。 店舗が汚染されているのから、早期であってもワクチンを接種してしまうのか、早期の ワクチン接種で免疫が充分獲得できていないのから、汚染されてしまったのかは、「鶏 と卵」のようなものです。 接種している先生にしても、じゃあ接種しなくて、みんな感染してしまったら、どうす るのだという言い分はあるでしょう。この場合の問題の本質は、ワクチンの早期接種を 是とするか否かではなく、「汚染環境にある犬をそのまま販売してしまってよいのか」 の方なのです。 ワクチンを製造するのに足るウイルス株というものは、そうそう簡単には捕獲できず、 通常は、ウイルス量を増やして、より強い炎症を惹起させて、移行抗体を上回る免疫を 付与させようという方法がとられています。 これは、どういうことかと言うと、20年30年というような時間では、犬は人間の 都合の良いように進化してくれはしないということなのです。母犬からの移行抗体と 自身の体で造る抗体との関係は、早々変わってはいないということなのです。 商品としての、ワクチン情報よりも、地域の感染症にどのようなものがあるか、どの くらいの周期で流行があるのか、熟知している獣医師に相談することの方が、より確 かなことと言えます。 # 私の地域では、レプトスピラがあるので、これは外せませんというこようなこと です。 逆に、感染症の流行がまったくない地域であれば、それこそ最低限の種類のワクチン でも済みますし、接種時期もさほど神経質にならなくてもよいでしょう。 私の話も、どうせ接種するのなら、確実に免疫が獲得できた方が良いという意味です し、それには犬側の事情だけでなく、地域事情も考慮した方がよいと考えています。 そのような中に、できるだけワクチンブレイクの発生をおきないようにしたいという 点が入っているのです。 |
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