犬種云々以前に、子犬から飼い始めるのは無理な環境のように思います。
というか、犬を飼うこと自体、かなり大変な環境だと思いますが．．．

第一に、昼間つきっきりで見ていられる人がいないこと。
例えば、子犬のトイレの躾は、どれだけきちんと排泄を監視できるかで決まります。
トイレで排泄するたびにちゃんと褒めてあげられれば、覚えも早いですが、
それができないと非常に時間がかかります。
一般家庭であれば、多少の粗相は大目に見つつ気長に見守ることも可能でしょうが、
民宿という環境だと、粗相はそうそうさせられませんよね？

それ以外にも、家族以外の人に慣れさせたり、様々な物音に慣らしたり、子犬の時期に学ばせたいことは山ほどあります。それにじっくり付き合える人がいないと、普通のペットとしてはともかく、民宿の犬としては難しいと思います。

第二に、病院まで遠すぎるということ。
子犬の頃はちょっとしたことで体調を崩すこともしばしばです。
忙しい上に、病院まで遠いのでは、最悪手遅れになりかねません。

ということで、私も成犬をお勧めします。
犬種による基本的な気質というのはありますが、どんな犬種を選んでも、その中でシャイな子に当たってしまう場合はあります。民宿というお仕事を考えると「この犬種なら大丈夫」というのはなかなか難しいと思います。
成犬であれば、性格もある程度固まっています。
その中で、穏やかで人懐こい子を選ぶのが一番無難だろうと思います。
愛護団体の中には、基本的な躾を入れてから譲渡しているところもたくさんあります。日本聴導犬協会など、補助犬関係の団体の中にも、ある程度訓練した中小型犬を譲渡してくれるところもあります。そうした団体ならば、毛の抜け具合についても、個々の犬についてアドバイスをもらえると思いますよ（しっかりした団体ほど、譲渡先の家庭環境をよくよく吟味することも確かですが．．．）

要は「この犬種」ではなく、「このワンコ」という選び方ですね。
雑種も含めて、人間大好きな子を探すのが一番よいと思います。

なお、お父様との上下関係はそれほど気にされなくてもいいように思います。
いささか失礼な言い方になりますが、ワンコからみてお父様が「お客様」と同じような存在であったとしても、それはそれで構わないのではないでしょうか？要するに、どんな人に対しても友好的で従順な犬であればいいわけですよね。もちろん、お互いに慣れるという意味で、犬を迎えるときにはお父様がいらっしゃるに越したことはないと思いますが。
（最近では、上下関係に基づく考え方自体を疑問視する専門家も大勢います）

実際に迎えるまでに、まだ時間があるようですので、ぜひ「子イヌを飼う前に（イアン・ダンバー著、レッドハート社）という本を読んでみて下さい。どんな犬をどこから迎えるべきか、きっと参考になると思います。読んだ上で、どうしても犬を迎えたいのか、もう一度ご家族でじっくり話合われるとよいと思います。