過去ログとして続けて読んで参考にする人のためにタイトルを元に戻しますね。

ミドリさんのお宅の様子と希望する条件をまとめると、いちばんいいのは雑種の成犬を外で飼うことだと思います。

動物病院が遠いことを考えると丈夫な犬を飼うことが最優先になります。それを第一に考えなければなりません。となると雑種がいちばんです。

「雑種は気質が分からないから嫌」はお母さんの意見だと思いますが、その意見は間違いです。犬種によって気質のベースとなる特性はありますがそれはあくまでもベースで、個々の犬の性格を作るのは飼い主次第です。我慢強いといわれる犬種を我慢できない犬にしてしまうのも、人に従順といわれる犬種を反抗的な犬にしてしまうのも、すべて飼い主の接し方次第です。
雑種はいろんな犬のいいところが混ざっています。初めて犬を飼う場合、雑種は自分からその家に合わせて暮らしてくれます。犬が人に「犬を飼うってこういうことだよ」と教えてくれます。

どんな犬を選ぶにしても、祖父母宅に昼間預けるのだとしたらその犬はミドリさんの家の犬ではなく祖父母の犬になります。犬はいちばん長くいっしょにいてくれる人、いちばん自分の世話をしてくれる人を飼い主として認めます。夜だけ戻されて、少ししたら家の人は寝てしまうのなら、犬はお泊りにきているだけになります。それは飼っているとはいえませんね。犬は夜もおじいちゃんとおばあちゃんの家で眠りたいと思うでしょう。ですから、昼間もつききりでなければいけない仔犬はミドリさんの家の犬にはなれません。ミドリさんの家の犬になるのは昼間の世話がいらないオトナの犬ということになります。

家族のなかで誰がいちばん大きな心をもっているか、犬がこの人がリーダーだと判断するのは心の大きさです。しつけをする人がリーダーじゃないんです。しつけは家族全員がすることです。
誰がいちばん犬の世話をすることになりますか? ゴハンをあげる人、散歩を担当する人、いちばん長く遊んであげる人は誰ですか?　
2匹目、3匹目に飼う犬なら家族みんなの犬でもいいですが、初めて犬を飼うなら「私の犬」と担当を決めて主導権をもつほうがいいと思います。もちろん家族で協力しあうことは必要ですが。
もし「ミドリの犬」とするなら、ミドリさんは犬の一生のことを想像してください。犬がこの先10年以上生きるとしたら、その間ミドリさんには就職や結婚など人生の転機があるでしょう。犬の世話はすべてお母さんに任せることになるかもしれません。 犬がそれを悲しいと思わないように、家族の誰もが犬の一生の幸せを守ってやれるよう、飼う前によく考えてくださいね。

どんな犬がうちに合うかより、うちは犬を幸せにしてあげられるだろうかをじっくり考えてみてほしいと思います。