獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200710-8

Re:おしっことウンチが時々しか出ません。
投稿日 2007年10月9日(火)11時07分 投稿者 プロキオン

アメリカンショートヘアーは、ひじょうに縄張り意識の強い猫ですから、お書きになられているようなことは、考えるうることであって、異常でもありませんし、パニックでもありません。
家の外をたまたま通りかかっただけの人でも襲い掛かられることはありますよ。

そういうことがたびたびあっては飼育に不都合ですから、子猫の頃から人付けをしておいて攻撃的なところが出ないように、温和な性格であるようにという飼い方が望ましいわけです。
猫が一旦気を許した相手となると、それこそ他の品種の猫よりも甘えるようになり、それは大人になってもかわりません。
甘えん坊ゆえに手がかかるということですね。だからこそ、気にいらないとなると攻撃的になります。こういう問題というのは、飼い主さんのライフスタイルや考え方等に合致しえいるかどうかという事になりますから、はたから、ああせい、こうせいと言ってもどうしようもありません。アドバイスや助言がそのまま実行できるということでもないでしょうし、他の猫ではうまくいったといことが、そのまま通用するとも限りません。
犬の方の質問でもよくありますが、問題のある犬を変えるよりも飼い主である人間の考え方や接し方を変える方が、話としては手っ取り早いということになります。

また、処方されている薬剤は、向精神薬でしょうから、意識レベルに働きかけていることとなりますので、排便排尿が積極的にならないというのも別に不思議ではないでしょう。誰だって、動くのが億劫なときはトイレも遠くなります。
生き物を相手にしているのですから、あれも駄目これも駄目というわけにはいきませんね。何か働きかければ、必ず何かしらの結果は出てきます。それが望む結果だけとは限りません。
処方されている薬剤についての相談であれば、処方した先生にお尋ねするべきだと考えますが、私であれば向精神薬を長期に亘っては処方しません。

猫は、普通3〜5キロくらいの体重ですが、人間の新生児の体重を考えると新生児にとっては立派な猛獣です。大人の体重を60キロと仮定すると80〜100キロくらいの肉食獣ということに置き換えることもできますよね。
ライオンの研究で知られ、野生猫の分類の権威であったライハウゼンは「猫は猛獣ゆえに人に慣れる」という格言を残しました。ライハウゼンの述べた「猫」とはライオンのことなのですが、それでもそこに人間が猫を家畜として家庭の中に取り込んできた経緯をみることができます。
我が家の猫の中でも一番神経質なのは、野良猫上がりのアメショーの雑種ですが、子供達には「大きな甘えん坊」と呼ばれています。神経質で不機嫌なことが多いのですが、それでもやはり一番甘えていたいようです。そうでないと不安のようです。


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