ウサギ掲示板過去発言No.1500-200607-89
EM菌、 |
投稿日 2006年7月16日(日)11時52分 投稿者 プロキオン
このことについては、私からの方がよいでしょう。 確かに製造元では「家畜飼料へ混ぜる」ことが勧められているようですが、 ちょっと考えなくてはならないことがあります。 それは、まず第一に対象となる家畜の大きさです。餌の量の1%とか2% とかいう量とお腹の中で発酵して生じるガスの量が、対象家畜の胃とか消 化管の大きさから許容できる範囲であるかです。 第二点としては、対象家畜がどのような消化機能や生理機能を有している かと言えます。 草食動物の中にあっても、牛は「前胃動物」と言って、消化管の前方にあ る4つの胃とくに第一胃において、微生物の力を借りて草を分解してもら っています。当然、かなりの胃内発酵があり、このガスを「ゲップ」で口 から逃がしています。 根菜類(大根とかカブ)などの給餌で、うっかり食道にこれらの食塊が詰 ってしまうと、ガスが胃に溜まって、「鼓張症」と呼ばれる病気となって ひどい時には死んでしまうことになります。 一方、同じ草食動物でも馬では、この草の分解を盲腸で行っています。そ のため「後腸動物」という呼ばれ方をします。馬の場合はゲップでガスを 逃がすことができませんので、与える餌の質には気を使うことになります。 発酵しやすい餌は、最初から給餌しませんし、放牧地の馬もどちらかとい うと低栄養の草を食べる場面が多いようです。 馬で盲腸にガスが溜まった場合は、「仙痛」と言い、牛と同じことが起き ていても、牛よりもひどい痛みがあって、ショックや急死につながります。 単胃動物であって、雑食性、消化管内で微生物の力を借りなくても済む豚 のような動物では、影響は小さいのですが、体内に微生物による発酵タン クをもっている動物の場合は、その消化機能や生理機能のバランスが狂っ てしまうことに繋がりかねません。 牛なんかでも、夏場は、胃の中の発酵熱のために体温が上昇してしまい、 餌を食べる量も減り、乳量も減少して夏ばてとなりやすいまものです。 発酵を促すための細菌が、必要以上に入ってきたのであれば、それなりに 動物の方も大変なことなのだと思います。 ウサギは馬と同じように盲腸で微生物の力を借りて草を分解して栄養とし ている動物です。このため、その微生物を殺してしまうような抗生物質の 使用はできません。この微生物を上手に使うことがウサギを飼うというこ との本質とも言えます。 牛や馬と同じく、夏場に餌の食べる量が落ちるのも、この微生物による盲 腸内でも発酵熱のせいです。ウサギに給餌する草が濡れていてはいけない とか、マメ科の牧草は避けるようにというのも、盲腸における異常発酵を 防止するためのことです。 直接、ウサギの餌にEM菌を混ぜないにしても、小屋の中に撒いたのであ れば、体や足に付着してしまいますので、それらを舐めて体内に取り込ん でしまうということは考えられることですね。 EM菌の堆肥化する際には発酵熱も60度近くまであがることはあります 、ガスの産生だけでなく、こちらも相当なことだと思います。元々、体内 に発酵させるための臓器を有している動物には、慎重であった方が望まし いことと言えます。 ウサギ小屋の中の糞は、やはりこまめに清掃して片付けるのが原則であり EM菌は、糞を堆肥化する段階で直接使用した方が適切な使い方だと考え られます。 小学生であるミドリさんが、大変頑張っておられるのですから、先生達も もう少し手を貸してくださるとよいですね。
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