ウサギ掲示板過去発言No.1500-200701-12
>うさごろうさんへ、農薬事情 |
投稿日 2007年1月5日(金)11時01分 投稿者 プロキオン
話が、かなりウサギから外れてしまっていますので、他の方はとばしてしまって下さい。 「水で振り洗いすれば」というのは、そのままには受け取らない方がよろしいでしょう。ただ、農薬事情については、今現在の方が規制が厳しいので、毒性や残留性が低いものへと替わってきていますので、認識については、うさごろうさんの理解でも支障はないようになってきています。 昨今のポストハーベストについては、農業に支障が生じるくらい厳しいです。 私の家は養蚕もやっていましたが、徐々に野菜農家が増えてきて、養蚕に支障が出るようになりました。これは、夏に農薬散布する時期と養蚕の時期が重なるためです。野菜に虫がつかないように散布しますが、これが蚕の餌である桑にかかれば、蚕は死んでしまいます。風下になる桑畑の持ち主には、野菜農家からいつ散布するからと連絡がありますが、早々と桑をとったところで蚕に与えるまえに葉がしなびてしまえば、意味がありません。桑をとる畑にも順序がありますから、(蚕の成長にあわせて葉の柔らかさと収穫量で)、連絡があったとて、思うに任せません。 今では、風でかかってしまった農薬でも廃棄せざるを得なくなってきていますが、その当時は連絡をしたのだから、それまでに対策を採らない方が無策という状態でした。養蚕農家が多ければ、そんなことにもならないのですが、野菜農家が多ければ、多い方が意見がとおります。 植物の葉の表面には何かしらのワックスが分泌されていて、水分をはじくようになっています。そのために薬剤を散布してもはじかれてしまいます。展着剤は、このワックスの作用を打ち消して、葉の表面全体に薬剤がいきわたることを意図しています。 防虫剤であれば、葉の表面に長くとどまって害虫から守ることとなり、除草剤であれば、葉の全体から吸収されて早く効果を発現することとなります。 私が公務員だったときには、庁舎内の除草の際には、農家でなくても普通に展着剤が併用されていましたから、農薬を単味で使用するということの方が異例のことのように感じます。 桑もつんだり刈り取ってきた後は、「桑場」で、朝晩如雨露で水をかけて鮮度を保つようにしていますから、水で落ちるくらいであれば、養蚕農家も苦労しませんし、逆に野菜農家(私の村では茄子農家が主体)は、毎日薬剤散布していないとならなくなりそうです。 自然農法の本に記載されていたのであれば、農薬を極力減らしているので、水で洗えばすぐにも食べることができるという意味だったのではないでしょうか? 私自身も公務員時代に「食品衛生監視員」をやっていたこともあり、食品添加物や農薬についても収去や検査に関わっていましたので、ある程度の範囲であれば、それぞれの危険性について承知していることはあります。 また、同時に、友人の家では奥さんが自然農法で生産された野菜の支持者でしたが、お子さんが小学校での検査で「回虫」にひっかかってしまいました。たしかに「有機農法」が実施されていたことには間違いないようですが、寄生虫を消費者に感染させてしまうのが正しい農業でもありません。おそらく堆肥の熟成が不足していたのだと思いますし、原材料の選択も誤っていたことになります。 どちらにも、「正」と「負」の面はあるようですよ!
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