獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200806-75

Re:Re:Re:皮下への抗生物質投与による腫瘍
投稿日 2008年6月16日(月)12時23分 投稿者 プロキオン

今回のような具体的な症例についてであれば、それは必ず診察をしてみてから意見を述べる必要があります。そうでないと、実際とは異なることを説明してしまっていることになるかもしれないからです。
まあ、これが最初にことわっておいた病名の一人歩きですね。肉芽腫は、正常な免疫反応であって、病名でもなんでもありませんが。
私は、最初に「あてずっぽうである」と言っちゃってますから、sakuさんのウサギについてではなく、肉芽腫について述べますが、体内にあってよいかどうかということであれば、「あった方が良い」と言えます。肉芽腫は病気ではなく、体がもっている正常な免疫反応の一環であって、異物や病原体をそこに封じ込めてしまおうという反応だからです。
「腫」という文字は単に「はれている」というだけのことであって、「腫瘍を意味する腫」ではありません。
肉芽腫の存続している期間というのは、肉芽腫を引き起こした原因物質の正体によって左右されます。補液の針が筋肉組織を傷つけたものに由来するのであれば、瘢痕程度にはなると思いますし、補液の中の成分に反応しているのであれば、その成分次第です。
そして、このような場合、よくよく理解して欲しいのは、薬が原因ではなく、患者側の体質に由来している現象であることです。

ひところ、猫のワクチン接種由来の腫瘍のことがネットでもよく取りざたされましたが、このような現象が、どの猫で発生することではないということなのです。発生してしまう猫(動物)では、ワクチンであろうとなかろうと、抗生物質であろうとなかろうと、そしてビタミンで剤あろうとなかろうと、発生するときは投薬された薬ではなく、患者側の反応として発生してしまうことです。
飼い主さんにしてみれば、受け入れがたい事実かもしれませんが、患者の個体の特性によるものと現在では理解されております。

昨今、ワクチンを接種すると癌になると述べている方(獣医師です)もおられるようで、本にそのように書いていたり、講演もしているそうです。私(患者)は悪くない、獣医師の処置が悪い、それが原因であるとと言ってしまうと、私(患者)は、気持ちは楽になるかもしれませんが、問題の根本からは逆に遠ざかってしまいます。
そのような問題については、すでに、ほぼ結論がでておりますので、あまりそのような話には振り回されないほうがよろしいかと存じます。

家畜の方では、比較的長くワクチンが接種部位にとどまって、強い免疫力を獲得する事ができるようにという工夫もあります。そのためか、ワクチン接種部位にシコリが生じるという現象も多くなってきております。
今回別の記事として投稿しますが、あるサイトに鳩に接種するワクチンについて同じような相談がありました。回答されている方は国の研究機関の免疫病理学の大家です。奥様が開設していらっしゃる動物病院への相談に専門家の意見として解説されておられます。
もう2年か3年前の相談なので、直接そのサイトを覗いても読むことはできないかもしれませんので、こちらで引用してしまいます。
したがいまして、sakuさんが目を通されたと考えられる頃を経過しましたら、こちらで削除する予定でいます。
sakuさんのウサギとは直接の関係はありませんが、動物にはこのような現象に遭遇することがあってもおかしくはないのだと理解していただけたらと存じます。

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