野生と自然掲示板過去発言No.4000-199907-11
野生動物の獣医師・追加 |
投稿日 1999年3月1日(月)21時36分 イワキ
響歌さんへ 大学で野生動物に少々関係あるかな〜というような研究をしている獣医師のイワキです。 プロキオン先生からも既にアドバイスが付いていますが、ちょっと別の方から補足を。 プロキオン先生は「獣医師という資格に憧れるのか野生動物に関わりたいのか」という 事をおっしゃられていますが、これは僕も同意見です。野生動物の獣医師といっても診療 だけが全てではなく、野生動物の研究や保護にかかわっている獣医師も多くいます。その ような獣医師は、獣医学を学んでからだの構造や病気について知っている事から、他の 人達とは違う視点から野生動物にかかわる事ができるように思います。たとえば、狩猟に 使われた鉛弾を食べてしまった水鳥やワシ・タカ類が鉛中毒という病気になっている事を 明らかにしたのも獣医師です。そういった関わり方は診療のように直接的ではありませんが、 野生動物を理解し、彼等のために何かしてやるという点では変わりがないものと思います。 一方、野生動物の事を知るためには生態学や行動学などを勉強する事も必要だと思うの ですが、獣医系大学では獣医学関係の勉強や実習で手一杯で、なかなかその時間が取れ ません。 たぶん、響歌さんが「野生動物のどんな所に興味があるのか」という事が進路に関わって くると思うので、もし、野生動物の診療に興味があるのでしたら、実際にそれをされている 先生の病院に見学に行かれたり、そういう先生の書かれた本を読んでみてはいかがでしょう か。獣医師の先生の書いたエッセイ風の本は案外多いですよ。 それから「野生動物の獣医師が何を学ぶべきか」といっても結局色々なので、とりあえず 獣医学の基礎を学ぶことは必須でしょう。となるとどこの大学でも基礎は勉強できますが、 野生動物については「極個人的な」判断で言えば、北大、岐阜大、酪農学園大、麻布大、 日本大で比較的活発に研究されているように思います(他の大学の、あるいは出身の先生方、 異論があれば是非補足を!)。 おしまいに、確かに日本ではプロキオン先生のおっしゃられたとおり、この分野の仕事は なかなか収入には結びつかないかも知れませんが、外国に行って『野生動物の獣医師』の 仕事をされている先生方もいらっしゃいます(学生の時にそのような先生のお話を聞き ました)。ですから、響歌さんも獣医学と共に外国語をしっかり勉強されて、外国で夢を 叶えることもできるかも知れませんよ。 http://member.nifty.ne.jp/iwaki-t/index.html |
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