野生と自然掲示板過去発言No.4000-200202-46
マングース |
投稿日 2002年1月30日(水)23時56分 はたの
過去ログは拝見しました。 最終的には優先順位、価値観に帰着し、それらは個人の感じかたによるわけで、歩み寄り不可能なのは見えていますが、せめてその過程で、「何についてどこで意見が異なるのか」を整理するほうが実のある意見交換が可能かと思います。なんとなくもやもやと気に入る/入らないでは・・・。 網羅的ではないものの、ざっと下に。ご参考まで。 a 行政手続の問題。 1 法的にOKか。 2 法的にOKとしても、社会的に求められる充分な情報公開がなされているか。 b 命の重さの問題。 生物は大きく五つに分れるわけで、してみると、「ヒトだけに権利を認める」のも「マングース含めた哺乳類全体/脊椎動物全体に権利を認める」のも、量の差。希少種とマングースのどちらを優先するかは対象の差。「それ以外の生命を差別している」構造は同じ。恣意的でない線引きは可能なのか? c 生命システムと死の捉えかた。 事例としては例外あり得るものの、たぶんすべての生命は他の生命の生存あるいは生存可能性を奪うことで存続するようにデザインされているわけで・・・。マングースを飼い続けるためには餌動物がその分多く死にます。マングースを救うべきというのなら、ネズミ駆除にも反対しないと・・・。さらにいえば、病気治療にも・・・。 d 帰化種の定義。何年たったら帰化種でなくなるのか、専門家も(私の知る限り)ロクに議論はしておらず。恣意的な線引きがあるのみ、それも御都合主義的に歪みます。バスやブルーギルに厳しく、水産上重要なアユやサケマスには甘いとか。 e 希少種の価値。帰化種の定義と同様、個々人の時間感覚によりけり。観じきってしまえば、どうせ50億年もすりゃみんな滅びますが・・・。 f 専門家の説明責任。理がどちらにあるかはさておき、感情的な反発をどうあしらうかの配慮が足りているか。 g お金の問題1。殺処分しない場合のお金をどこから集めるか。殺処分に反対する個々人は幾ら出す覚悟があるか。 h お金の問題2。マングースのためにたとえば100万円使って、100匹救えるとする。おなじ100万円で101匹救える他の命はないのか? i 輸入/飼育規制の問題1。その規制の必要性、公共性は、「飼う」という個人の権利を制限するに足るか。 j 輸入/飼育規制の問題2。ブンチョウやセキセイインコも規制すべきか? それらはよいとするのなら、恣意的でなく、ダメとする種との線引きが可能か。 k 輸入/飼育規制の問題3。網羅的に規制すると、逸出は減ろうが、そもそも動物に親しむひとも減る。それは日本の自然にとって損か得か? 逃がしても問題のない、国内産・地元産の動物の捕獲・ペット化の必要はないのか? L 個々人として「こうあってほしい」ことと、「こじんてきには好まないが、日本国が行なうにあたっては妥当だろう、と個々人が判断すること」の違い。「私が納得できないからいけない」では対話は不可能なので。 |
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