野生と自然掲示板過去発言No.4000-200310-61
シカの保護管理について |
投稿日 2003年10月1日(水)09時41分 もり
みなさまこんにちは。 シカの保護管理、とくに個体数調整に関して素人なりに疑問を感 じていることを質問させていただきたいのですが・・・。 私は、動物個体の生存権利云々ということには興味はありません。 動物愛護的な立場でないことを前もって言っておきます。 個体数調整がうまく機能して、シカの生息個体数および生息密度 が低くなったという結果が得られたとします。 しかし、密度が低くなり個体当たりの食物料が十分に満たされた 状態の個体群は、繁殖力(妊娠率、当歳個体生存率など)をMAX まで上げてくるのではないでしょうか? 一時的に個体数や生息密度を下げたとしても、長期的にみれば その行為が再び大増加させるエネルギーを溜めてしまうことにな ってしまうのではないでしょうか? それは、保護管理のありかたとして望ましいことなのでしょうか? そのへんについて、皆様がどう認識されているのか教えていただ きたいのですが。 ある意味、一時的にクラッシュに近い状態を作り出さなければ、 シカの保護管理は迷宮に迷ってしまうような気もします。 植生への影響については、どうも過大評価されているような気が しているのですが(根拠はありません)どうでしょう? 自然林への樹皮剥ぎに関しては防除しかありませんが、貴重か つ回復が絶望的だと考えられる植物については、ストックすると いう方法も並行して考えてもよいのではないかと思います。 それと、防護柵中心の方策も、農地に対する防除としては大賛成 なのですが、人工林や天然林被害に対する防護柵を過剰にやって しまうと、シカのみならず、他の中・大型動物の生息域を制限して しまうことになってしまうのではないかと懸念しています。中・大型 動物の生息地をこれ以上奪うことは、良くないことだと思います。 野生動物が棲めない森林を多く作り出す結果にならなければ良い のですが・・・。 大袈裟に言えば、長期的に見ると、捕食者を失った小げっ歯類の 大量増殖による生態系の混乱をおこすリスクもあると思います。 それから、林業被害についてですが、 現在多くのサラリーマンがバブルのツケでリストラなどされて路頭 に迷っている時代です。もちろん、それが良いとは思いません。 しかし、大面積拡大造林が行われた時代を林業におけるバブル のようだと考えると、やはりそのツケは払われて仕方のない犠牲 なのではないでしょうか?林業バブル(?)への反省もなく、林業 被害を大きく取り沙汰し、林業経営者を過保護にはしてないでし ょうか? さらに、林業経営が健全な林業経営をすることで国土保全や生物 多様性を維持しようという考え方は、行政の怠慢としか思えないの ですが、みなさまどう思われますか? それともうひとつ、 あるメーリングリストの投稿の中で >・鹿児島県屋久島では1970年頃には普通に見られたヤク >イヌワラビやヤクシマタニワラビ(ともに絶滅危惧IA類)が >ほとんど見られなくなった。 とありましたが、 屋久島におけるヤクシカの増加の原因は何だと考えられてい るのでしょうか? エゾシカでは牧畜場の拡大、本州では拡大造林時代の一時 的な草地の拡大および温暖化の影響による降雪量の減少、 (あるいは、捕食者の喪失が今になって現象化してきたという 意見もあるようですが)などが主な原因としてあげられています が、屋久島でも拡大造林などの影響はあったのでしょうか? その他、個別な原因、あるいは、まだ広くは認知されていない 全国に共通する原因があるのでしょうか? 勉強不足な質問で恥ずかしい限りですが、 知見ある方のご回答、期待しております。 |
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