動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200202-20
続・マングースとネコ |
投稿日 2002年1月26日(土)20時37分 翼
yutaさんへ。 マングースの件について反応して頂き有難うございます。けれど少し誤解があるようですので付け足させて下さい。 まず、先日の私の書き込みは、決して「マングース保護」の視点に限ったものではないという事をご理解頂きたいと思います。 私は単にマングースが「カワイソウ」だからといって今回の捕獲/駆除に反対しているわけではありません。他の「殺処分」に関してもそうです。勉強不足なところが多多あることも否めませんが・・・少なくとも、今回のマングース・ネコの捕獲/駆除作戦が「希少生物保護(=自然環境保護)」の名目で行なわれていることは知っています。 私が問いたいのは、私達人間の言う「自然環境保護」とは何ぞや?という事です。 多くの場合、「自然環境保護」は非常に人間勝手に主張され、強行されます。人間(特に行政)は、その時の都合によって「自然環境保護」の方針・見解・姿勢をコロコロと変えます。例えば、今回「希少生物保護」の為にマングースを殺すことを正義としながら、アメリカ軍の為にはわずかに生息するジュゴンを殺すことをも厭いません。 何故、同じ事を繰り返すのでしょうか?自分の利益の為に、何の配慮もせず、好き勝手にやっておいて、ある「種」の絶滅のカウントダウンが始まると途端に騒ぎ出すのです。 馬鹿馬鹿しくないですか?後で騒ぐぐらいならば、未然に防ぐ努力をすべきです。その方が費用も断然少なくて済むはずですし。(これは戦争と不発弾・地雷除去の関係にも言える事ですが。) それから、マングースに捕食される希少生物はカワイソウではないのか、という事ですが。確かに、彼らを「種」として見た時にはカワイソウです。しかし彼らを「個」の「命」として見た時、私はカワイソウだとは思いません。だって、食べられて死ぬという事は至極当たり前の事です。毛皮をはぐために殺されたり、目障りだから、「野良」だからといって殺されたり、病気だからといって殺されたり、住処を切り崩し・埋め立て・汚染されて殺されたり、或いは自動車や電車に轢かれて死ぬよりもずっと。私はそう思います。勿論私は彼ら自身ではないので、説得力が無いと言われてしまえばそれまでですが・・・。 けれどもとりあえず、彼らが本当はどう考えているにせよ、人間が彼らの「種」を守ろうと言う時にはまず、彼らが対等で尊厳ある「命」として捉えられていない事は確かだと思います。きっと彼らは人間のコレクションとして、その希少性に価値を見出されているに過ぎないのです。 私は希少生物の死を望んでいるわけではありません。けれど元来「種」というものは永遠に不変のものではないはずですから、「種」の絶滅を完全否定するのは筋違いかと思います。 ただ、私が言いたいのは、人間が「種」の絶滅を嫌うのであれば、自らその原因を作るな、という事です。又、希少生物だけでなく、他の生物の死を悼む心を大切にして欲しい、という事です。 (長々と失礼致しました。) |
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