動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200302-74
現場を知っているものから |
投稿日 2003年2月25日(火)08時04分 Big 1
私は、かつて毒性試験といって医薬品の前臨床試験(人で試される前)に従事していた ことがあります。実験動物反対運動をする人の多くがせんとばなこさんように、「生 体反応の違う人間に動物実験の結果を当てはめてる事は危険」というよなことをおっ しゃいます。しかし、まったく前臨床試験をしないことの方がもっと危険なのです。 有名な薬害であるサリドマイド禍などは、正しく毒性試験が実施され、評価されてい たなら防げたはずなのです。毒性試験では動物種間の差は認識されており、各試験で 得られたデータをもとに人での場合を推定換算するための作業もあります。試験はG LP(Good Laboratory Plactice)ガイドラインに基づいて実施されており、なによ り正確さと公正さが重要視され、また試験計画にあっては無益な試験を排除し、試験 実施にあたっては無用な苦痛、ストレスを与えることのないように気遣われています。 なお、こうした試験は医薬品候補の物質に危険性がないかを調べるためのものであっ て、治療効果があるかどうかを調べるものではありません。 つぎ獣医学教育における動物の使用ですが、まったくゼロにするのは難しいと考えます。 のです。私は >大学で解剖したり骨を折って骨折の手術をしたりは技術屋のやる事で何の役にも立たない とは思いません。獣医師は科学者であると同時に技術者でもなければなりません。また、 生体でなければどうしても学べない部分もあるからです。バーチャルなものだけで生体の感 触も知らないものが、治療に当たる危険さを考えて欲しいものです。 現在では骨折手術の基礎実習では、ドライラボといって実物に近い感触を得られる骨 模型を使ってピンの挿入やプレートの当て方を練習する方法が行われています。学生 や、手術方法の基礎も知らないものに教えるにはこの方法で十分だと思います。しか し、臨床獣医師として手術に望むには不十分です。実際の手術では骨だけがむき出し であるわけではなく、まわりには筋肉、血管、神経などが取り巻いており、こうした 組織を傷つけないようにしながら処置するかが重要だからです。こうしたことはドラ イラボでは学べません。私は、新人にこうした経験をさせるために実際の患畜をあて がう気にもなれません。が、どうしても生きている動物をこうした実習に使用しなけ ればならないとも思いません。 不要犬(なんていやな言葉)として殺処分されてしまった遺体で行ってもいいと考えて います。しかし「動物愛護団体から抗議されるため、遺体も出すことはできません」 というのが、私が問い合わせたときの返答でした。なにか間違っている気がします。 |
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