うつくしい人生 |
1999年 フランス C'EST QUOI LA VIE?
<監督>フランソワ・デュペイロン
<キャスト>エリック・カラヴァカ , ジャック・デュフィロ , イザベル・ルノー , ジャン=ピエール・ダルッサン
<ストーリー>
南フランスの農家の息子ニコラ(エリック・カラヴァカ)は、田舎町でくすぶっていないで、広く世界を知りたいと、家を出ることを考えていた。そんなある日、農業に行き詰まった父親が自殺してしまう。生活の基本を奪われ、ばらばらになった家族を見て、ニコラは、ある決心をする・・・。
<感想>
ニコラの一家は、三世代が同居する大家族。祖父から父に受け継がれた農業は、借金を抱えて、苦しいものだったが、土地さえあれば、農家は生きてゆけるという心の支えがあった。しかし、ヨーロッパに広がった狂牛病によって、ニコラたちの飼っていた乳牛も処分せざるを得ず、絶望感が一家を襲う・・・。
前半は、絶望の淵に立つニコラたちが描かれていて、救いがありません。何をやっても裏目に出てしまうニコラ。
ニコラを愛していたしっかり者の祖父の哀れな姿を見ると、思わず涙が出そうになりました(TT)。
いったいこの映画のどこが”うつくしい人生”なんだろう?と、疑問さえ感じてしまいました。
しかし、祖父のその姿は、ニコラの心にも衝撃を与え、ニコラは、ある決心をするのでした。
その後のニコラのたくましい姿は、惚れ惚れするようで、またそうなると、物事はすべて、いい方向に進み始めるのです・・・。
農家が大変なのは、どこの国でも一緒なのでしょうね。
天候や動物など、自然が相手の仕事なので、そうならざるを得ないのでしょうけれど、ひとつ物事がうまくいかないと、それが連鎖してしまう怖ろしさもあります。
劇中のラジオ?ニュースで、年金破綻のニュースも流れていたし、なんだか将来は、あまり明るいとは言い難いです。
ニコラの新しい生活にしても、ニコラが大黒柱なわけで、彼が倒れたら、もうそれだけで、生活が成り立たなくなりそうです。
それでも、ニコラの身体からは、希望が溢れていました。そして、子牛も生まれました。新しい生命の誕生は、まさに希望そのものです。この希望こそが、人間を支えるものなんだなとあらためて感じました。
そして、南フランスの風景の美しいこと!雄大で優しい自然をふんだんに見せてくれました。この映画は、大画面で見たかったですねぇ。
監督は「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」のフランソワ・デュペイロンです。
ただ、残念なことにDVDはまだ発売されてないようです。私はNHKのBSで見たので、その内また放送があるかもしれません。(2009,03,04)
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