美しい人 |
2005年 アメリカ
<監督>ロドリゴ・ガルシア
<キャスト> キャシー・ベイカー , エイミー・ブレネマン , エルピディア・カリーロ , グレン・クローズ , スティーヴン・ディレイン , ダコタ・ファニング , ウィリアム・フィクトナー , ホリー・ハンター , ジョー・マンテーニャ , ジェイソン・アイザックス , メアリー・ケイ・プレイス , エイダン・クイン , アマンダ・セイフライド , シシー・スペイセク , ロビン・ライト・ペン , レア・セドゥ
<ストーリー>
9人のアメリカを代表する女優が、9つの美しい物語を紡ぐ、オムニバスの女性ドラマ。
<感想>
2時間弱の中に、9つの物語がギュッと濃縮されていました。
全ての作品が、ワンシーン、ワンカットというこだわり。その制約の中で、女優たちは、輝きを増して見えました。
前後の背景をそぎ落としているにもかかわらず、彼女たちのそれまでの生活と、その時の一瞬の心の動きとを感じる事が出来ます。
印象的な物語は、
「サンドラ」(エルピディア・カリーロ) 刑務所に服役中の彼女の、唯一の心の拠り所は、娘との面会。その面会場でのトラブルで、彼女の娘への愛情が切なく映し出されます。
「ダイアナ」(ロビン・ライト・ペン) スーパーで、昔の恋人に偶然再会し、まだ彼への思いが強く残っていることに気がついてうろたえる彼女。
「サマンサ」(アマンダ・セイフライド) 不仲になってしまった障害者の父と、その介護をする母親。二人の間を取り持つのは、彼女だけ・・・。
「ローナ」(エイミー・ブレネマン) 元夫の自殺した妻の葬儀に駆けつける彼女。自殺の原因を作ったのも彼女だった。そして、元夫は、葬儀場でも彼女を強く求めるのだった。目眩く(めくるめく)様な、男女の愛の性(さが)を感じる作品。
「ルース」(シシー・スペイセク) 夫の介護に疲れ、愛を求める彼女は、不倫に走ろうとするが・・・。「サマンサ」の母親の感情の行くへは・・・。
「マギー」(グレン・クローズ) 墓地に墓参りにやってきた彼女と、娘。娘は、ハイキング気分。そして彼女は、そんな娘を愛おしく見つめ、娘の好物のブドウを差し出すのだが・・・。。
中でも、最終章の「マギー」は、切なくて、余韻の残る作品でした。最初は、祖母と孫のようだわと、キャスティングに首をかしげたのですが、そこには、悲しい物語が隠されていたのです。
9つも物語があるので、中には、私の琴線に触れないものもありましたが、それでも、彼女たちに、どんな事情があったのか、それを想像する楽しみがありました。
ロドリゴ・ガルシア監督は、男性なのに、女性の細やかな心理を見事に表現する監督さんですね。(2009,05,22)
☆ロドリゴ・ガルシア監督の他の監督作品☆
2008年 パッセンジャーズ
1999年 彼女を見ればわかること
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