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2006年 オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー スリラー・戦争
<監督>ポール・ヴァーホーヴェン
<キャスト>カリス・ファン・ハウテン , セバスチャン・コッホ , クリスチャン・ベルケル
<ストーリー>
1944年9月、オランダ。第二次世界大戦末期、ナチスドイツ占領下にあったオランダで、ユダヤ人女性歌手ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、ナチスからの逃走中、ドイツ軍に見つかり、家族を皆殺しにされてしまう。レジスタンスに助けられたラヘルは、ユダヤ人であることを隠すために、髪を金髪に染めて、ドイツ軍内部をスパイする・・・。
<感想>
最初、ユダヤ人であるラヘル(エリス)が、あまりにもノー天気で、あっけらかんとしていることに、違和感を感じました。あの当時のユダヤ人の恐怖は、あんなものじゃなかったはずなのに・・・と思ったのですが、あれは、ラヘルの天性の強さがなせる態度だったのかなと、見終わって納得しました。そのぐらい、彼女は強かったです。
隠れ家を爆撃されても、家族を目の前で殺されても、死体となって見張りの目を突破しても、そして、味方のために、ドイツ将校に身を捧げても・・・。どんな状況においても、ユーモアを忘れずに、凛々しく生きていく彼女の姿は、健気でした。
そんな彼女を中心として、ミステリアスに、そしてサスペンスフルに映画は進みます。小さな伏線が、あちらこちらに隠されていたり、人間の貪欲さとか、ありえない裏切りなど、驚くほどの人間くささが、映画全体に渦巻いていました。
今年見た「ヒトラーの贋札」でもそうでしたが、敗戦間際のドイツは、人間のエゴが丸見えになっていた時代でもあったようです。
公証人にお金を預けているような、裕福そうな彼女が、ショーガールまがいのことをするところとか、死人に化けたりするところ、作戦が失敗した時に、ある人物だけ無傷だったことなど、何となく都合良すぎるかなとは思いましたが、全体には、目の離せない面白い映画となっていました。
それにしても驚いたのは、監督が、あの「スターシップ・トゥルーパーズ」のポール・ヴァーホーヴェンだったこと。この監督、いろいろな作品を作るんですね〜(^^)。(2008,05,03)
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