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山猫 |
1963年 イタリア・フランス 戦争
<監督>ルキノ・ヴィスコンティ
<キャスト>バート・ランカスター , アラン・ドロン , クラウディア・カルディナーレ
<ストーリー>
1860年5月。統一戦争下のイタリア。名門貴族サリーナ公爵家が統治しているシチリア島にも革命の波が押し寄せ、甥のタンクレディ(アラン・ドロン)は、革命軍に参加して、英雄となって戻ってきた。そして彼は、新興ブルジョワジーの娘アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)と恋に落ちる・・・。
<感想>
161分の大作です。とても有名な監督だそうですが、私は、「家族の肖像」しか見たことがなく、少々苦手意識がありますが、アラン・ドロンが出演しているので、頑張って見てみました。40数年前の映画ですが、2004年にイタリア語完全復元版のDVDが発売されたそうです。
ストーリーは、1860年5月。イタリア統一戦争中の話です。私はまた、中世のイタリアが、分裂状態にあったことを、この映画で知った次第なのですが、ついでに書くと、「1861年2月、サルデーニャ王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が統一に成功し、イタリア王国を建国する」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)だそうです。まさに、この映画の舞台となった時代ですね〜。
数十代にわたって、イタリアシチリア島を統治していた貴族、サリーナ公爵は、時代の波が自分のすぐそばまで来ていることを身をもって知り、感慨にふける。また、一方で、新しい次代を担うであろう甥のタンクレディと、新興ブルジョアの娘、アンジェリカとのロマンスが生まれるのです。。
映画は、ひたすらゆったりと進み、現代の映画を見慣れていると、すご〜〜く、間延びしているように思えて、正直、面食らいます。時代のテンポの違いを考えると、今見ると、これを退屈だと捉えるのも、仕方がないと思いますねぇ。
特に、この監督は、このような、荘厳な映画が特徴のようで、また、この時代の貴族の生活は、実際、こんな感じなのかもしれないなぁと思いました。
私も、最初のうちは、気の遠くなるような時間の流れに、ちょっと戸惑いました。
でも、見ているうちに、時間の使い方の贅沢さを感じ取ることが出来たような気がします。
特に、衣装のすばらしさは、ため息ものです。カラー作品で、良かった〜〜と思いますね〜。ダンス会場に溢れるばかりの、美しいドレス姿の女性達。老いも若きも、意匠を凝らしたドレスをまとう姿にうっとりしてしまいました。
そして、お目当てのアラン・ドロンは、目元涼やかで、やっぱりどんな格好をしていても素敵です。ですが、もっと素敵なのが、主人公のサリーナ公爵を演じるバート・ランカスターでした。渋い!これぞまさしく、いぶし銀の魅力です。時代の波を感じ、自分の時代の終焉を憂える姿に、惚れ惚れしました〜。
アラン・ドロンの恋人、アンジェリカ役のクラウディア・カルディナーレも、美しいけれど、ブルジョアの娘で、品格に欠けるという役どころにぴったりで、さすがに完璧主義者のヴィスコンティ監督ですね〜。
さて、この映画は、英語版と、イタリア語版があるそうで、出演者も、アメリカ人、フランス人、イタリア人と様々。撮影自体は、何語で撮られたのかな?と、ちょっと考えてしまいました。ひょっとすると、それぞれ、吹き替えだったりするのでしょうかね〜?
とにかく、色々な見応えがある映画です。今のハリウッド映画とはひと味も二味も違うことを頭に入れて、時間があるときにゆったりした気分で、見ることをお薦めします。(2006,05,04)
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