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の粉」    
雫井 脩介  03.07.20

    
有罪か?無罪か?手に汗握る犯罪小説の最高傑作!
自白した被告人に無罪判決を下した元裁判官へ
今、「火の粉」が降りかかる。
あの男は、殺人鬼だったのか?

面白かったですね〜
前に読んだ著者の「虚貌」も、相当面白かったですけれど、この作品も、それ以上に面白かったです。
特に、後半は、読むのを止めることが出来ずに、夜中までかかって、一気に最後まで読んでしまいました。

これは、サスペンスですけれど、ホラーに近い怖さがあります。
不気味です。そして、それは、普通に生活していた場合、避けようのない怖さです。
やっぱり、私たちは、人を最初から疑ってかかれないですもんね。
でも、人は色々です。私も毎日色々な人に会いますが、こちらが思ってもいないようなことをしたり、言ってきたりする人って、結構います。
だから、いつ何時そういう人と出会ってしまうかもしれないと、我が身に置き換えて読んでいくうちに、怖ろしさも増しました(^^;。

文章は、最初、裁判官の勲を主人公として書かれていますが、それが、途中から、その妻・尋恵、その後、嫁の雪見へと変わってゆきます。
その点で、ちょっととまどいもありましたが、それぞれの仕事や家庭での生活や考え方が分かって、面白かったですね。
嫁姑の関係がうまくいっているのが、なにやらうれしかったりもしました。

文章も読みやすいので、お薦めです(^^)。