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「失われた町」
  三崎亜記







ある日突然、大切な人が「消滅」したら?
30年に一度、突然一つの町の住民が跡形もなく「消滅」する世界。大切な人を失った人々の思いは?「消滅」との戦いの行方は? 驚異の新人・三崎亜記が贈る待望の最新長編、「町」シリーズ第2弾!! (「BOOK」データベースより)


直木賞候補作になった作品です。
デビュー作「となり町戦争」の様に、軽めの、ちょっと奇妙な話かと思って読み始めたところ、実は、大河ドラマのように、脈々と続く人々の壮大な物語でした。
しかも、SFなんですね〜。
SFは、その世界の中に入り込んでゆけないと、なかなか馴染めないのですが、この作品も、聞き慣れない言葉が次々と出てくる上、それに対する説明も十分には与えられず、きちんと理解出来ぬまま、話が進んでゆく感じで、ちょっときつかったです。
でも、読んでいるうちに、だんだんこの世界のことが分かってきたかなと思って、安心しはじめると、今度は、西域の居留地での話になり、ここでまた、きつくなってしまいました(^^;。

でも、最後まで読んでゆくと、この物語の登場人物の関係と、消滅との関わりが全てはっきりして、なるほど、そういうことだったんだと分かりました。そして、読み終わったときには、また、最初の方を読み直して、またまた、なるほど〜〜と、思ったのでありました。
全てが終わってみると、なかなか、すごい物語なんですよね〜。
でも、これほどのストーリーを描くには、もう少し、登場人物や、状況、現象の説明を詳しくして欲しかったですねぇ。
ただ、力作には間違いありません。SFが好きな方には、お薦めかも。

ここに、キーワードや町の説明が載っていました。これを参考にしながら読むと、より理解が深まるかもしれません。 (2007.03.14)