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「新世界より」上・下
貴志祐介  





















1000年後の日本。伝説。消える子供たち
ここは汚れなき理想郷のはずだった。
著者頂点をきわめる3年半ぶり書き下ろし長編小説 (上巻帯より)



お久しぶりの貴志祐介さんの新作です。彼の作品は、なんと「硝子のハンマー」以来で、3年半ぶりなんですね〜。
今度の作品は、上下巻で、ともに500ページ前後はある大長編小説です。
しかも、読んでみて驚きました。貴志さんというと、ホラーのイメージが強いのですが、今度の作品は、冒険SFファンタジー。貴志さんって、こういう小説も書くんだと、びっくり。貴志さんっぽくないな〜と言うのが、私の第一印象です。

私は、映画も小説も、ファンタジーが苦手。と言うのも、その世界観にすんなり入っていけないからなのですが、この小説も、実は、なかなか入り込めませんでした。
どういうイメージを頭の中に作っていいものやら、しばらく右往左往してしまったのは、私の頭が固いって事なんでしょうかねぇ(^^;。

舞台は、1000年後の日本。人間たちは、呪力を持っています。
主人公は、まだ子供で、呪力をきちんと使いこなせるように、学校に通っています。ここら辺は、「ハリー・ポッター」のようで、球技大会なんかもありました。その後は、「陰陽師」のようになったり、「ロード・オブ・ザ・リング」や「X-メン」になったり・・・(^^)。
そんな感じで読んでいくうちに、どんどんはまってゆきました。

今思うと、上巻全てが、この物語の序章でした。
下巻にはいると、一気に話がすごい展開になってゆきます。
ここからは、貴志さんの独壇場。迫力のある場面展開と、臨場感たっぷりの戦闘シーンが続き、そして、ラストは・・・。

残虐なシーンもあり、強烈な現代社会への批判もあり、そして、未来もありました。

なにしろ、読み応えたっぷりの本なので、読み終わると、達成感を感じます。
貴志さんの新境地・・・ですね(^^)。 (2008,04,06)