「緑の家」
バスカル=リョサ
町外れの砂原に立つ<緑の家>、中世を思わせる生活が営まれている密林の中の修道院、石器時代をのままの世界が残るインディオの集落・・・。豊穣な想像力と現実描写で、小説の面白さ、醍醐味を十二分に味わわせてくれる、現代ラテンアメリカ文学の傑作。 (表紙折り返しより)
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2010年にノーベル文学賞を受賞した、ラテンアメリカ文学の代表的作家、バスカル=リョサの代表作です。
ノーベル文学賞作家の作品というと、ちょっと敷居が高いのですが、頑張って読みました。
ところが!
上巻の半分まで読んでも、はっきり言って、何がなにやら分かりません(^^;。
なじみのない地名に、なじみのない名前。
その名前にしても、本名だったり、愛称だったりと、色々なわけで・・・(^^;。
そして、何より、時間的、空間的な飛躍が、ものすごくて、
会話文なのか、回想シーンなのかも、よく分からなかったりして。
本当に苦労の連続でした。
でも、下巻に入ると、この作家の書き方にも慣れ、やっと面白くなり、
そして、最後の最後には、非情な満足感を感じられるようになりました。
巻末には、訳者の木村榮一さんの長い解説があります。
これよこれ!!
これを最初に読むべきでした。
この作品は、「五つのストーリーが相互に関連し、絡み合いながら展開してゆくという設定」で、「四十年に及ぶ年月の間に起こった出来事を語った」ものなのです。
これを最初に知っていたら、もっと早くから楽しむことが出来たかも。
もう一度初めからじっくりと読むと、さらに面白く感じられることでしょう。
この”豊穣”な作品、映画化しても面白そう。
とても長い作品になりそうだけど・・・(^^;。
「アナコンダ」のルイス・リョサ監督は、彼の従弟で、 クラウディア・リョサ監督は、姪御さんだそうなので、現実可能かもね(^^)。
(2011,05,12)
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