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「海の底」
有川浩
4月。桜祭りで解放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦「きりしお」の隊員が見た時、喧噪は、悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。 (裏表紙より)



「塩の街」「空の中」に続く自衛隊シリーズ第三弾・・・だそうです。
なるほど〜。
陸・空ときて、海なわけね(^^)。

三部作の中では、やはり「塩の街」は、衝撃的で、とても好きだけど、次に好きなのが、この作品となりました。
巨大甲殻類の来襲!なんて、ドキドキ・ワクワクしちゃいます〜(^^)。

でも、巨大エビの攻撃は、情け容赦なく、笑い事ではありません。
人間大のエビと戦うことを考えたら、そりゃもう、恐ろしい!!(T_T)。
なにせ、相手は、完璧な”鎧甲”装着済みですからねーーー(^^;。

そんな彼らを相手に、ジェラルミンの盾だけで戦う警察。
非力なのに、なんて勇ましいのでしょう!
もう、涙なくしては読めませんでした(ウソだけど)。

一方、潜水艦の中に逃げ込んだ自衛官と、子どもたち。
狭い艦の中での不自由な生活。
また、子どもたちには、子どもたちの事情があったりして、こちらの話も読ませます。
その中に高校生の女の子がいて、あ、この子が、自衛官と・・・と、これはもう、想像つきましたけど(^^)。

いくつかの話が同時進行するので、それぞれの立場や、その時の状況が理解しやすかったです。

警察や、自衛隊の組織についても、分かりやすく描かれていて、なるほどな〜と、思いつつ面白く読めました。
東日本大震災から2ヶ月たったこの時期、自衛隊の活動が注目されているなかで、リンクするところもあるなと感じつつ、面白く読むことができました。 (2011,05,26)