僧正殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
だあれが殺したコック・ロビン?「それは私」とスズメが言ったーー。四月のニューヨーク、この有名な童謡の一節を模した不気味な殺人事件が勃発した。マザー・グース見立て殺人を示唆する手紙を送りつけてくる”僧正”の正体とは?史上類を見ない陰惨で冷酷な連続殺人に、心理学的手法で挑むファイロ・ヴァンス。江戸川乱歩が称賛し、後世に多大な影響を与えた至高の一品。(裏表紙より)
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先日読んだ「インシテミル」の中に出てきた有名な推理小説のうちの一つです。
「インシテミル」には、たくさんの作品が出てきていたので、全部読みたくなってしまったのですが、遅読のゆえ、そうもゆかず、この作品をとりあえず手に取りました。
ストーリーは、マザー・グースに見立てた連続殺人事件が発生し、探偵ヴァンスが、その謎を解いてゆくというものでした。
1929年に発表された作品なので、名作なのは名作でも、全体にのんびりしていて、やはり古さを感じざます。
殺人事件が起きるのは、ごく限られた場所で、犯人と疑われる人物もごく身近な数人。
とはいえ、私の予想は、ことごとく外れたわけですが・・・(^_^;。
数学者に関する蘊蓄も話されていて、その辺りは、私の能力を遙かに超えていて、難解でした(^_^;。
この小説の一番の特徴は、”見立て殺人”で、きっとこれは、その後の推理小説に影響を与えたことと思われます。
見立てに使われたのは、”マザー・グース”。
マザー・グースのことは、ぼんやりとしか知らなかったのですが、今回調べたので、だいぶ分かりました。
まず、英語の伝承童謡の総称だということで、その中には、「きらきら星」とか「ハンプティ・ダンプティ」「10人のインディアン」も含まれているということで、総数は、1000を超えるとか。
だから、マザー・グースを見立てた殺人事件が起きたとしても、次に誰が犠牲になるかを推測することなんて、出来ないわけでした。
著者のヴァン・ダインには、聞き覚えがあるので、もしかすると、昔読んだかもしれませんが、すごく新鮮に読めました(^▽^)。
彼の作品も、色々読みたい物が出てきたし、本の裏に紹介されていたディクスン・カーも、面白そう〜!
時間が無限にあれば、いいのに!!(^_^)。
(2019,04,17)
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