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レゾンデートル
知念実希人



私がジャックですー
殺人者の<存在理由>とは?
末期癌を宣告された医師・岬雄貴は、酒浸りの日々を送っていた。
ある日、不良から暴行を受けた岬は、復讐を果たすが、現場には一枚のトランプが−−。
そのカードは、連続殺人鬼「切り裂きジャック」のものと同じだった。
その後、ジャックと岬の奇妙な関係が始まり・・・。
再注目作家、幻のデビュー作!(『誰がための刃 レゾンデートル』改題・改稿)(裏表紙より)


昨年読んだ「ムゲンのi」の著者、知念実希人さんのデビュー作です。
「ムゲン〜」とは全く違う血なまぐさ〜い小説でした(^_^;。
でも、こっちのジャンルの方が好きかな(笑)。

ストーリーは、末期癌に冒された医師が殺人鬼と対決する話です。
彼の病名は、素人の私でも知っている悪名高いスキルス癌。
進行が早く、治療法がない最悪の癌です。
医師である主人公は、自分の余命を理解し、自暴自棄になるが・・・。

著者が医師なので、末期癌についての記述はその通りなのでしょうが、
そんな状態でも、薬さえうまく使えば、あんなことも、こんなことも出来るなんて、本当なのでしょうか?
たとえ余命が短くなっても、好きなことが出来るなら、わずかな余命を病院で寝て過ごすよりも、こういう生き方の方がいいかななんて思ったりしました。

いくつもの要素が絡み合うストーリーでしたが、単元毎に登場人物がはっきりしていたせいか、わかりやすく、読みやすかったです。
また、血なまぐさい話が続く中で、主人公と少女とのほのぼのしたやりとりが、ちょっとこそばゆいながらも、ほっと一息つかせてくれました。

真犯人については、えっ??!!という感じで、思わず、また前の部分を読み返したりしました。
読後感は、良かったです。 (2021,10,01)