チュベローズで待ってる AGE32
加藤シゲアキ
「君の意思なんかどこにもないんだよ」
2025年。ゲーム会社に就職した光太は、
気鋭のクリエイターとして活躍しながらも、
心に大きな喪失感を抱えていた。
そんな彼の前に、再び現れたチュベローズの面々。
折しも、不気味な女子高生連続失踪事件が世間を騒がせ、
光太が心血を注ぐプロジェクトは大きな壁にぶつかろうとしていた。
停滞した時間が一気に動き出そうとするなか、
否応なしに過去と向き合った末に、
光太がたどりついた10年前の恐ろしくも哀しい真実とはーー
(帯より)
「AGE22」がとても面白かったので、続編も楽しみにしていました。
でも、ちょっと期待しすぎたかな。
今回は、副題にもあるように、前作からも分かるように、あれから10年経って、大人になった光太とその周辺の物語です。
就活で苦労した光太が、10年後、ゲームクリエイターとして最前線で働いていることに、驚きと頼もしさとうれしさを感じましたが、
一方で、10年前のような光太とチュベローズの物語ではなくなってしまったことが残念でした。
彼の周りには、家族の問題や仕事上のトラブルが山積して、大人となった光太の苦労が窺われます。
そんな中で、かつてのチュベローズの面々が顔を出してくれると、なんだかほっとしました。
しかし、終盤の出来事には、急にマンガチックになってしまったように感じて、正直がっかりでした。
斬新と言えば斬新ですが、このようなオチなら、読まなかった方がよかったかなと思ったりもしました。
まあでも、そもそも、最終盤の話から派生して出来た物語だったのかもしれないですから、こういうことなのでしょう。
(2022,09,07)
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