学校飼育動物を考えるページ  学校飼育動物研究会


 平成15年暮れから平成16年(04年)3月の流行期について記述
1,鳥インフルエンザ警戒体制下の飼育のあり方
  2,今は普通の飼育で十分です。
  3,H16年秋、これからの鳥インフルエンザ対応 プールの鴨等   
  4,国内の状況別対応法 04年12月25日付   5,政府発表・心配ないですよ、の記事「国民の皆様へ」   6,鳥インフルエンサ学校の過剰反応(東京新聞記事6月2日夕刊)04年6月3日    ●平成17年暮れ、人の新型インフルエンザウイルス警戒時の日本の鶏問題について記述
   1,今の鳥インフルエンザと日本の学校の鶏たちは、別の問題です(説明文)
     ●平成19年1月 宮崎で発生期      国内の状況別対応法 (の 国内発生時期の対応を見て下さい)      

「鶏の世話を子どもに担当させて下さい」  H16年4月6日
 (愛情を基本に科学的な処置を! 学校から発信してください)

 4月5日に東京で 後述のような専門家による「鳥インフルエンザを正しく知ろう」と
いうシンポジウムがありました。
 流れは「鳥インフルエンザはこわくない」でした。

シンポジウムの内容から

ウイルス
*ウイルスはすべて生きた細胞の中でしか増えることができず、細胞の外(外界や死んだ
動物の体の中)のはいずれ壊れて死んでしまう。鳥インフルエンザウイルスは20度で長く
て7日で壊れる。 *このウイルスは−70度で永久的に感染性を保てるが、湿った糞便の中ならば、4度で45日 くらいは感染性を保つが、20度の環境では7日で、25度なら5日で壊れる。乾燥した状態なら 25度で1日で感染能力がなくなる。つまり,人間が鶏の糞から鳥インフルエンザに感染するには感 染鳥の新鮮な糞便が大量に必要である。
*感染した動物が死なない場合、抗体ができるのでやはり10日もすれば体内から消滅して
いる。
*人類は地球に最後に出現した哺乳類であるので、それ以前から地球上に存在する哺乳類
を含めた動物や、カビや細菌、ウイルスなどと共に生きていく宿命である。
 だから、先住の「動物から人にウイルスなどがうつる」という表現になるが、別に動物
が不潔だからという話ではない。野生動物の領域に人が踏み込まないようにすべきであろ
う。 
*鳥インフルエンザはカモなど水鳥の腸内にすむウイルスで、カモに病気を起こさず、ま
た人への感染性はない。
*北極圏の直ぐ南のカモの営巣地である湖沼で毎年夏にウイルスがカモの体を通って増え
るが、冬になると水が凍結してウイルスが凍結保存される。ということを繰り返してい
る。
*その病原が6ヶ月くらい鶏に感染するということを繰り返していると、高病原性に変わる
が、鳥にとっての高病原性ということで、人とは関係ない。


人の死亡例について
*ベトナムやタイでは、あまりにもウイルスがたくさんある状態(鳥を生きたまま売買し
ていた市場にウイルスの混じった糞が大量にある)にいた人がかかっている。この人がた
またま人のインフルエンザにかかっていると、その人の中で「人から人へ感染する新型ウ
イルス」が作られる可能性があるので、鳥の感染が同じ場所でひきつづき起こる状態にし
てはいけない。
 ベトナムなどの地域から新型ウイルスが出現することをWHOは警戒したが、現在まで出
現していない。日本では、直ちに鶏をウイルスごと全滅させて、感染が広がるのを防ぐこ
とに成功しているので、今の日本で出現することはない。
*ベトナムなどで、鶏の売買にも養鶏にも携わっていない兄弟の犠牲者がいて、人から人
に感染したかと疑われたが、この家庭の裏は生鶏売買市場であった。
*東南アジアでは、また病鶏としらず、解体して食べた人が犠牲になっている。ウイルス
がいた腸などの扱い、処置、事後の手洗い処置などに関係しているだろう。

カラスの心配と野鳥
*猫やカラズは、直接病気で死んだ鶏を食べて感染したといわれているが、それが死因か
どうかは、議論の余地がある。 *京都ではたくさんのカラスが 病鶏や糞を食べたと予想されるが、死亡例は6例しかな
い。また、全例からウイルスが証明されたのではない。カラスが普通に感染して死ぬの
なら、もっと死んだ事例が発見されるはずだろう。
*その後のカラスの事例もないし、ウイルスの性格を考えると今回はコントロールされた
と考えてよい。
*野鳥について、韓国や山口県、大分県でも野鳥はすべて関係ないと判明している。
 (中川の余談ですが、野鳥関係者は人がウイルスをどこかにつけて運んだかもしれないので、
 人の動きをもっと調査すべきと考えている。)

予防処置について
*今回、日本が厳しい予防処置をとったが、あれは家畜伝染病予防対策として養鶏を守る
ためにとった処置である。
*しかし、この病気はこれから先もどこに出現するかは分からない(人が運ぶかもしれな
い)ので、モニタリング(養鶏場でのウイルス検査)と観察、届出は必要である。
*診断はウイルス検査によってのみ、行われる。簡易検査は間違いが多すぎる。

人への危険性について
*今回浅田農産では2月17日くらいから鶏が死にはじめ、22日ごろには病気の鶏が相当
数(日に4000羽以上)になり、そのウイルスを含んだ糞が舞い上がったりして鶏舎の
中の空気には大量のウイルスがあったが、それを吸い込んで病気になって死んだのは
鶏だけである。
中で、10日間もマスクなしで作業をしていた従業員はだれも発病していない。

*世界をみても、型が異なるウイルスの流行があったオランダの場合、80数名の感染
者の殆どが結膜炎ですんでいる。死者は獣医師1人であって治療の経過など複雑な事情
がある。

*今回のベトナムやタイ、また香港などの死者は、すべて生きた病鶏を売買する(ウイルス
がたくさんあった)市場に関係したり、食べる処置に関係している。
*日本では、食鶏検査が行われており、病気の鶏や問題のあるのはすべて省かれている。

人にとって危険なのは
*人のインフルエンザ(流行性感冒)では、毎年数千人の方が肺炎(高齢者に多い)や
脳症(主に子ども)で亡くなっている。
*現在でもこの病気は、人の平均寿命を短くする原因になっている。
*我が国では一人も死ななかった鳥インフルエンザと、毎年、日本で数千人が死ぬ
人のインフルエンザ・・
どちらが人にとって危険かは、一目瞭然であろう。

学校の鶏・チャボの飼育について
*今回質問をしたところ、専門家の中には「学校に判断をまかせたらどうだ」、
との意見があった、
つまり、専門家は「学校での感染を心配していない」ということを表している。
*この陽気では、糞として排出されたウイルスは 直ぐに感染力をうしなうだろうから、
心配ない。

そして チャボたちの散歩ですが、大丈夫でしょう、とのことでした

よって、結論 4月21日に京都市でも警戒解除になるので、遅くても、それを機会に学校で
は、普通の処置に戻したらいかがでしょう

ご家庭には、3月に政府が発信した「国民の皆様へ」を配布する学校が多いです。

「普通の飼育方法」
 ・動物を観察しながら、体力を落とさないように朝夕の2回の餌やりを行う。
     (休日は、親子当番、親子ボランティアを校内で募る。)
 ・暑さ寒さに注意する。(冬は木製の巣箱をいれて、夏は大木の木陰に避暑)
 ・食べ残しや糞をそのままにしないで、毎日すっかり取り去る(掃除)。
 ・週に1回くらい水洗いができると良いが、できなくてもよく掃除して乾燥させる。

 ・汚れて、糞が舞い上がる状態のときは、マスクをして掃除する。
 ・掃除を終わったら、手洗い うがいをする。
   (外から校内に入ったら、手洗いうがいは常識)
   なお、自分の手が土などでに汚れているときは、洗ってから動物に触る。

   マニュアルの頁参照「学校飼育動物のすべて」「みんなで育てよう学校飼育動物」などから
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“鳥インフルエンザを正しく知ろう”

共催 (社)東京都獣医師会 (社)東京都医師会
    東京都  
後援 (社)日本獣医師会              
<開催目的>                   
 鳥インフルエンザウイルスとはどんなウイルスなのか、潜む危険とは何か?
食の安全や人の健康、また日本経済において脅威となるインフルエンザについて正し
い情報、知識を提供するとともに、これを克服するために、今我々は何をなすべきか
を提示し、都民の取るべき姿勢について討論する。さらに未来に向けて人類は感染症
とどのように立ち向かうのかを模索する。

日時:平成16年4月5日(月)午後1:00〜5:00
場所:東京都庁都民ホール  参加費:無料
内容
<挨拶>(社)東京都獣医師会会長 (社)東京都医師会会長        
           13:00〜13:10 
      東京都産業労働局総務部長
<座長紹介> 座長 山田 章雄 先生(国立感染症研究所獣医科学部長)  
           13:10〜13:15 
<基調講演>                              
           13:15〜13:55
  山内 一也 先生(東京大学名誉教授)
  「感染症,いま世界は」
<パネル内容およびパネリスト>
1 喜田  宏 先生(北海道大学教授)                 
           13:55〜14:25
  「インフルエンザウイルスの理解と新型インフルエンザ出現の可能性について」
2 加藤 多喜雄 先生(東京都家畜保健衛生研究所長)           
              14:25〜14:55
  「現場での鳥インフルエンザ対策」
         ───  休  憩  ───             
              14:55〜15:10
3 関根 大正 先生(東京都健康安全研究センター微生物部参事研究員)  
              15:10〜15:45
  「人の健康と鳥インフルエンザ」
4 岡部 信彦 先生(国立感染症研究所感染症情報センター長)      
              15:45〜16:15
  「人類の感染症への取り組み」
<総合討論>                              
               16:15〜17:00
指名発言者1 合瀬 広毅 先生(NHK解説委員)
指名発言者2 和田 正江 先生(主婦連合会長)