79年ぶりに高病原性鳥インフルエンザが山口県で発生し、大分県でチャボに感
染してたことは周知の通りですが、高病原性鳥インフルエンザの感染対象である
鶏、あひる、うずら等を飼育している小学校は全国、9000校近くになります。
そこでは、子供達が日々ふれあいながら鶏達を支えてきました。
今、子供達への感染をおそれて、鶏たちを処分する指示を教育委員会が出したり、
子供達から引き離す小学校が各地から報告されてきます。
しかし、本当に危険なら、とっくに国は学校の鶏を処分するように指示しているでしょう。
国から出ている指示は、手を洗うこと、うがいをすること、鶏を観察すること、
獣医師と連携して冷静に対処すること、だけです。
先生方としては、この機会を利用して、子どもたちに、
「大事な仲間を病気から守ってあげる」
「自分の身は自分で守るために、よく状況(今回はニワトリ)観察して、自分で考える。
つまり
「情愛や責任を大事にするように、また科学的な視点をもち、基本的衛生観念を身に
つけるよう」な度指導の 良いチャンスにしていただけますようお願い申
し上げます。
(専門家の指導を受けてお知らせいたします)
(1)人への感染について
感染ルートの一つに渡り鳥があげられていますが、渡り鳥は毎年北方の湖沼から全
く病原性のないインフルエンザウィルスを腸内にもってきて、糞便と一緒に
湖沼中水に
排泄する事が知られています。が、それは、普通人に感染しないウイルスです。さらに、
その渡り鳥が学校の鳥と接触する確率、そこか
ら人に感染する確率、これらを掛け合
わせると、限りなく低い確率になります。つまり 学校の飼育動物は他の集団からは離
れた環境にあり、鴨などの野鳥と接触させないようにすれば
今の時点で学校の鳥が感染する可能性はとても低いのです。
(2)今、お宅の鶏は健康か?
今飼っている鳥たちは元気で食欲もあるなら、病気ではないとはっきり言えます。
だから、その健康な鶏が病気にならないように次のことに注意しましょう。
(3)お宅の鳥が感染しないための対応法
*野鳥から学校の鶏が病気を移されないように
1.世話を毎日して、鳥の抵抗力を落とさない
2.健康状態観察の徹底(普段かかりつけの動物病院と相談する)
3.野鳥の飼育小屋への侵入を防ぐと共に野鳥の糞との接触を避ける為、しばらくは
屋根のない庭には出さない。
4.飼育舎出入りの時、オスバン、ザルコニウム液(逆性石鹸)や、ピューラックス
(塩素系消毒薬、プールの消毒で使うもの)、キッチンハイターなどをバットに入れ、
ゴム長靴等の裏を消毒する。
*普段の衛生管理の徹底
5.1日1回は必ず掃除して、糞が乾燥して舞い上がらないようにする。糞が舞い上が
るときあるいは飼育舎の床が土の場合の清掃は、マスク・ゴム手袋・ゴム長靴等の
着用が望ましい。
6.飼育舎清掃後、また接触後の手洗い、うがいの徹底。
*鳥に異常を見つけたときの対応
7.異常な鳥(元気がない、死んでいる鳥)を発見した場合は、その鳥に接触せずに、
最寄りの動物病院に相談する。相いついで元気喪失したり死ぬ鳥がでた時は、獣医師
と相談の上、家畜保健衛生所に連絡する。(連絡先がわからない時は、自治体に届ける)
(獣医師の診察を受けなくても直接家畜保健所に学校から連絡をしてもよい)
<参考:高病原性鳥インフルエンザの主な症状>
潜伏期間 3〜10日位(本当のところは、2〜4日とのことです)
相次ぐ突然死
食欲、飲水欲の低下、羽毛逆立ちと沈鬱
顔面肉冠もしくは脚部の浮腫、出血斑もしくはチアノーゼ
産卵の停止
呼吸器症状、ゼーゼー 下痢、神経症状
等々症状は多様である。
<参考1>
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逆性石鹸は、オスバンやベンザルコニウム液など500mlの商品から業務用1Lのパコ
マやアストップなどがあります。濃度は、100倍から200倍が手指の消毒に推奨さ
れているようです。また1000倍位の噴霧で使用しても効果があるようです。
<参考2>
ピューラックスは、小学校のプールの消毒に使用されている為、殆どの小学校が所
有しており、手軽な消毒薬と思われます。製品の裏に、使用説明がありますので読
んでください。説明書がなくなっている場合の為に次の通り。
水2Lに対してキャップ1杯(付属のキャップの容量は約6ccあります)
これも、1000倍位でも十分効果があるようです。
<参考3>
(注)キッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウム 濃度不明記述なし)を使用する場合。
水5Lに対してキャップ2杯(付属キャップの容量は約25ccあります)
上記薬品のいずれかで、器具の消毒、長靴の消毒をしてください。
<参考4>
床が土の場合、糞便などの消毒として消石灰を撒くと効果があります。
詳細は、各都道府県の獣医師会及び家畜保健衛生所でお聞きください。
以上ご連絡いたします。また子供たちや先生には、「鳥インフルエンザが発生した
からではなく、普段から手洗いやうがいをし、動物から人へ、人から動物へ病気がう
つらない様、気をつけましょう」とお話いただければ幸いです。
(2月18日に日本小動物獣医師会
が全国の小動物開業会員に発送した「対応法」よ
り)
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行政は、養鶏産業を保護するために、政策を打ち出していますが、以上の事に注意すれ
ば、お宅の学校から病気を出す可能性はほとんどないでしょう。
また、人への健康被害は、観察がしっかり行われ、鶏の病気がすぐに届出られる、現在のような国の対応ができて
いる日本ではあり得ないことですし、
また万一人への感染して発症しても、良い薬がありますので、全く心配ありません。
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鶏のいる保育園に入れたくないという 来期入園児の母親が投稿しましたが、それへの回答を張り付けます。
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「鳥インフ
ルエンザはこわくありません。」 トッ
プへ ホームへ
本当に人にとって危険なら、国はとっくに学校の鳥たちを処分するように通達しています。
しかし厚生労働省も、農水省も文部科学省も 鳥をすぐに処分しろとは言ってませ
ん。
観察して、手洗いとうがいをするように、
もしも、鳥に異常があったら知らせるように、といっているだけです。
子どもと動物との絆を大事にして、
学校の動物たちは、子どもに愛情と責任、また大人への信頼を伝えるために飼育してい
るもの
たちだと認識なさっていただきたいです。
今、非情な対応を子どもに見せて、10年後、20年後に影響がでませんように、
健全育成のために、努力なさってくださいますよう、お願いいたします
獣医師会は、支援いたします。
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国の対応の目的
WHOが恐れているのは、人への感染がつづいて人の新型インフルエンザ ウイルスに変わる
ことなのです。そのためにものものしく騒いでいます。
また、農水省が恐れているのは、家畜に被害が出ることなのです。
恐ろしい消毒の服装をしている人がTVに写りますが、あれは、
他の鶏に病気を移さないようにしているのです。
鳥にしかうらない鳥インフルエンザウイルスは、容易に消毒で死滅します。、
また人への危険はないとのことで ベトナムやタイへの観光は禁止になっていませんでしょう?
また、日本は衛生状態が良いからあり得ないけど、もしも万が一 トリインフル
エンザにかかったとしても、タミフルや他の良い薬があります。直ぐになおります。
これらの薬は48時間以内にのまないと効果がない、などマスコミはいってますが、熱がでた
ら48時間もほっておかないでしょう?
マスコミは 注目をあつめるために、あおるような記事、報道をしますが
疫学的な対応を紹介していただきたいものです。
世界(WHO)が恐れているのは、新型インフルエンザが生まれて、それが広まったと
き、今、世界のもっているタミフルが不足するからです。でも、半年くらいした
ら大丈夫(特に日本では)のようですよ。ワクチンもすぐに用意される予定です。
学者は、アジアで新型インフルエンザが生まれないかと警戒していますが
日本で生まれる危険性は、今のような対応がとれていればあり得ないでしょう。
家畜衛生の方がたが示した注意事項は、人は手を洗ってうがいするとだけ、書い
てあります、
普通の処置です
このサイトでの「対応法」に 靴裏の消毒と書いたのは、鶏を守るためです。この
病気がどこかででたら その30キロ圏内の業者がつぶれます。一番の被害者です。
お子さんの健康はご心配なく、掃除など、毎日の世話をきちんとしていただき
子供達へは、「手を洗うこと」 といって、楽しくあそばせたらい
かがかと思います。今時、のんびりと動物と触れあわせているなど、良い保育園
だとおもいます。幼児教育には自然体験と動物体験は必要なことです。
なお
人にとって一番恐い動物は人です、人に一番病気を移す動物も人です。
同じ種類だから、病気を共有します。
他の動物は、ウイルスが自由にいききしません。
昨日、2つの小学校に鶏の話をしに、伺いましたが、
今インフルエンザがはやって、休んでいる子がいるときいて、
トリインフルエンザよりよほど恐いと思いました。今休めないし、
それに、人のインフルエンザで、肺炎や脳炎を起こして死ぬ人がいるのですが、
肺炎は毎年人口10万人あたり10人を越え、100人から200人の子どもが脳炎・脳症
で死亡している。
つまりトリインフルエンザを怖がるより、普通のインフルエンザを恐がるほうが
理屈にあっています、
人はいろいろな雑菌を身に付け、抵抗力を養って成長します。病気も歴史にな
り抵抗力をつくっていきます。
鶏インフルエンザが本当に危険なら、厚生労働省も農水も文科省も鶏をつぶす
ように、国としてきめています。それがないのですから、安心してください。
ちなみに、たばこが直接死因の方は、毎年10万人だそうです。
問題ですね。伏流煙もあるし、
動物由来感染症(ウイルス)で死ぬ人は、日本では「免疫不全症の人が普通の
弱い病原で死ぬ」事例が数件あるくらいです、
免疫不全の方は、最後は、ミズムシ(ビール酵母)のような普通の菌でも死ぬことになりますので
直接の死因は動物由来感染症とはいえません。
今の日本では、マスコミのいうほど、恐くありません。
トッ
プへ ホームへ
人の死亡例としては、隣のかん国で鶏を185万羽処分しましたが人は誰も死んでいま
せん。
オランダでは3000万羽を処分しましたが、担当していた獣医師が一人死んだだけです。
元々は このウイルスは人にはかからないのです。
このような感染事例はウイルス量がものすごく大量だったのか、長くウイルスと接触していたのか、あ
るいは特に感受性のある人がかかったのかと言われています。
また、死亡例が多いベトナムやタイでは、中国で以前から鶏にワクチン接種したために、この病
気の典型的な症状がでないまま感染が広まり、それが東南アジア
波及したのではないかと言わ
れています。そし
て、ウイ
ルスが鳥や豚、鴨のいる環境に蔓延したと考えられています。感染
した鶏(やその排泄物)に接触した人が大勢いたこと、また接触していた期間も長いことなど
が
想像されていま
す。
また、ベトナムでなくなった事例は、(感染している鳥と知らずに?)食べるために解体した人が大半です。
解体時の装備や内臓の処理の手順に問題があったのかもしれません
つまり、日本とは衛生観念も異なり、生きた鶏をごく普通に購入して料理するという文化が、今回の死
亡例を出した事につながったのだろうと指摘されています、
一方、日本では、鶏がこの病気にかかったらすぐにわかるように、そして囲い込んで撲滅して国
の養鶏を守るという政策上、ワクチンを打っていません、
ですから、発病したらすぐに鳥がバタバ
タ死んでわかります。 そしてすぐに対応できます。
もしも、死んだりあるいは 元気のない鳥をみたら、その鳥にさわらずに獣医師に知らせれば
大丈夫。
その時点では、万が一にも人の病気は起こしません。また触っても、作業後すぐに手洗いうがいをして
いただければ、心配ないでしょう。
なお、短期間に連続してそのような鶏が出たときは、獣医師や家畜保健衛生所に届けます。
それは主に、他の養鶏に広がらないように、国の家畜伝染病予防法に決められている事です。
現時点で人にとって危険、だから、囲い込んでいると言うわけではありません。
トッ
プへ
学者による東アジアでの状況分析
東南アジアの状況2月23日現在 WHO
タイ 感染者数9名(内7名死亡) ベトナム感染者数23名(内15名死亡)
WHOの分析
『鳥インフルエンザは鳥の感染症である。渡り鳥(特にノガモ)は鳥インフルエンザウ
イルスの自然宿主であり、感染に対して最も抵抗性がある。鶏や七面鳥などの家禽
は、急性の致死的なインフルエンザの流行を非常に受けやすい。鳥インフルエンザウ
イルスはめったにヒトに病気を起こさず、鳥とブタ以外の種には通常感染しない。ヒ
トに重症疾患を引き起こすことは、今まで2度(1997年香港及び2003年オランダ)報告
されている。これらの集団発生の調査により、ヒトへの感染源は生きている感染鶏と
の濃厚な接触であることが分かった。したがって、家禽においてインフルエンザ発生
が最近確認されている地域では、生きている家禽を直接消費者に売る行為は控えるべ
きである。』鳥インフルエンザ 2004年1月 WHO
食品の安全性:アジアにおけるヒトと鶏の鳥インフルエンザA(H5N1)より
『アジアの影響を受けた国々において、家禽類の工業化された生産機構には効率的な
感染制御対策を迅速に導入することができる一方で、現在の集団発生は、家禽類とヒ
トがしばしば同じ生活環境を共有しているような地域で起こっている。家禽類はほと
んどすべての村々で見受けられ、通常生きたままの状態で取引される−「生産農場か
ら食卓」までの連鎖の距離は、わずか数メーター程度に短いかもしれない。このよう
な状況では、疾病は多くの小さな群れのあいだで、素早く広がっていくことができ
る。家庭で屠殺を行うことは、感染が広がる地域で、ヒトのウイルスへの曝露が容易
に起こり得ることを意味する。
先の集団発生の調査が、生きた感染している家禽類との密接な接触が、ヒトへの感染
伝播の主要な経路であることを明らかにした。従って、家禽類でインフルエンザの集
団発生が現在起こっている地域では、生きた家禽類の消費者への直接売買の実施はや
めるべきである。』2004年2月12日 WHO
アジアの地方・農業地域における鳥インフルエンザA(H5): 食の安全への配慮 より
山内一也東大名誉教授の分析
『アジア地域では人口が増加し、経済が豊になり、都市化が急速に進んでいます。
卵、鶏肉などの需要は増加し、養鶏は昔のような庭先での飼育ではなく、養鶏産業は
工場なみになりました。このような養鶏産業は1960年代から欧米、日本で始まってい
ましたが、アジアの発展途上国でも1980年代頃から急速に取り入れられてきたので
す。
シベリアなどから飛んできた野生のカモの糞に含まれたトリインフルエンザウイル
スに鶏が感染すると、狭い鶏舎に閉じこめられている多数の鶏の間でウイルスは急速
に広がってしまいます。しかも、これらの国では生きた動物の売買が一般的で、動物
市場では生きた鶏が売られています。感染した鶏の糞などに含まれる大量のウイルス
を、人が吸い込むチャンスが考えられるわけです。』霊長類フォーラム:人獣共通感
染症(第155回)2/25/2004 鳥インフルエンザ出現の背景 より
社)神戸市獣医師会 学術・公衆衛生担当理事の上田幸孝先生が個人的に集めて下さった情報
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