獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201108-6

Re:保健所について
投稿日 2011年8月14日(日)17時05分 投稿者 りんママ

保健所の獣医師の仕事は、動物の愛護に関するだけではありません。
それはほんの一部の仕事であって、本来の仕事は、公衆衛生行政を行う機関であり私たち人の生活を守る仕事(食品衛生に関する業務、生活衛生に関する業務など)があります。
鳥インフルエンザや狂牛病などは記憶に新しいのではないでしょうか?

それらを少人数で多くの仕事をこなしているのです。
処分をされる頭数を減らすには、飼い主が今すぐに出来ることがあります。

>もし手術して子供が産まれなければ、これ以上増えることはありません。

21年度の環境省公開資料によると、全国で引き取られ最終的に処分された猫の頭数は、165,771頭です。ちなみに犬は、64,061頭です。

野良猫同士が繁殖をしていることが原因で子猫が増えているというわけではないですね。

猫に発情期というものはありませんが、発情シーズンは存在しています(末尾参考リンク)蛍光灯下もふくめた長日周期(日照時間が長い季節に繁殖するということ)やメス猫の栄養状態がよく且つ未不妊であれば一年で2〜3回出産することは出来ます。
外猫の餌やりも不妊手術無しで餌をあげることにより栄養状態がよくなります。そうすると繁殖能力も上がります。メス猫は多産になり、オス猫は、複数のメス猫と交尾することが出来るようになります。

ですから、猫は犬と違って自由が好きだからと外に出すことによって、未不妊の飼い猫(オス、メス)を外に出している場合、飼い猫オスは野良猫や外に出している飼い猫メスと交尾することによって、100%妊娠させます。
あるいは、脱走をして後日、妊娠していたということもあります。

飼い猫メスは、飼い主の自宅で子猫を産む場合もあれば、他家の敷地で産むこともあります。自宅で生まれた場合には、妊娠しているとはおもわず、最近太ってきたとばかり思い込んでいた飼い主もいらっしゃいますので生まれて初めて驚くことになり、自宅で飼えないとなると飼い主募集をしたり、いらないと保健所に持って行ったり、捨てたりということになります。


野良猫のオスメス同士で子猫が生まれていると言うわけではありません。不妊手術をしていない飼い猫を外に出している飼い主がいる限り、子猫が外でも生まれます。
特に、オス猫の飼い主は、自分の愛猫が外にたくさんの命を生み出しているなど微塵も考えていないでしょう。

猫の場合には、飼い主によって所有者明示(首輪に名札にマイクロチップなど)が殆どなされておりません。
飼い主は繁殖制限に限らず、愛猫が周囲へ迷惑をかけないような飼育をしなければなりません。

ペットには、飼い主所有を明示することが法律で定められています。
自分で責任が負えない命を産み出さない。

今すぐに出来ることとして、飼い主が自分の愛猫に適切な飼育を行うことによって、少なくても2ヶ月、3ヶ月後に保健所で処分をされる動物は少なくなっていくのではないでしょうか。

■環境省が公開している資料(PC版)
家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_h140528_37.pdf

犬・ねこの引取り及び負傷動物の収容状況
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

■動物よくある相談 
猫の発情期
http://www.vets.ne.jp/faq/mobile/estrous006.html

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