ウサギ掲示板過去発言No.1500-201011-28
Re5:妊娠出産について |
投稿日 2010年11月14日(日)14時50分 投稿者 プロキオン
>チーママさん 浮遊卵というのは、自然界においてはわりと存在するらしいですよ。よく聞くところではツキノワグマなんかも該当します。ツキノワグマにおいては、冬眠の冬篭りの際に分娩することの方はよく知られていますが、浮遊卵の方はこれと比較するとまだまだ知られてはいないようです。ただ、どういうわけか交尾の季節もちょっと変っていて、これが浮遊卵や妊娠期間とどう関連づけられるのかということも興味深いです。 豚においても、妊娠中に日本脳炎やパルボウイルスに感染しますと、流産や死産が発生しますが、この時に、ミイラ化した胎児や分娩間際まで成長している胎児等が一緒に娩出されて、胎児の成長段階というか、その大きさに差が生じていることがしばしばあります。ありますというか、成長に差が見て取れるんが一般的であると言えます。 この現象もウイルスがあまり強力でなくて、1頭ごとの胎児に順次感染していったと考えるべきなのか、最初から胎児側にも成長の差があったと考えるべきなのか?? 話しを元に戻しますと、この浮遊卵も周囲の自然環境に負うところが大きく、まず、そこそこの数の受精卵を確保することに意義があって、その後から、育てる事が出来る環境か?餌は充分にあるのか?ということで、胎児の調節があるのではないかと説明されています。 簡単に言ってしまうと、餌が不足していれば、母親の母体が生き延びるために発育中の胎児が死滅する、しかる後に環境や餌の情況が改善されれば、その時に残っている受精卵があらたに発育する機会を得られるというものです。ちょっと都合が良すぎて、私は個人的には全面的な賛同とまではいっていません。 なんとなれば、何事もなければ、先に成長して分娩までに充分な発育をした胎児がいる一方で、生存すら危ぶまれる大きさの胎児も同時に生まれてきてしまうからです。これらの生後の発育が危ぶまれる赤ちゃんウサギすべてを母親がうまく育てる事ができればよいのですが、そうでない場合は、ずいぶんと無駄な事をしているように思われませんか? おそらく、そこにウサギの母乳が関係してきているのではあろうと思うのですが。いずれにせよ、被捕食動物ですから、「子供達の中の誰か、生き延びておくれ!」という蜜蜂ハッチの女王様のような気持ちなのでしょうか?
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