獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199712-352

KAORUさん、(351)の回答だけでは、あまりに不
親切な回答に
なってしまいますので、追加説明しますね。(^-^)
投稿日 1997/12/30(火)06:03:37 ヒゲクマ@口腔外科

ウイルスの進化の要因には2つのパターンがあります。
1:(マクロ進化)
  例えば、或る生物にとって致命的なウイルスが出現す
ると、その生物は
  絶滅に向かいますね。それは、そのウイルスの絶滅も
意味します。
  何故なら、そのウイルスにとって、その生物は宿主だ
からです。
  もし、2000年前にHIVウイルスが出現していた
ら人類と
  HIVウイルスは絶滅の危機に瀕していたかもしれま
せん。
  つまり、見方を変えれば、「進化」と呼ぶべきなの
か???
  どこかで、宿主(生物)と、共存できる形が進化と呼
ぶならば。。。
-----------------------------------------------------
-
2:(ミクロ進化)
  上記のように、全ての進化がマクロ的な進化ばかりだ
と、環境の変化や
  宿主絶滅が自らの絶滅に、即、直面する可能性があり
ますね。
  そこで、重要な役割を担うのがミクロ進化です。
  その主な一つが「変異」というものです。
  そして、環境に適した「変異」進化したものが生き残
る仕組です。
-----------------------------------------------------
-
さて、「変異」について理解していただいたところで、
詳細は相当、専門的になってしまいますので割愛します
が、
ウイルスにはDNA型とRNA型があります。
皆さんも、御存知かもしれませんがDNAは2重螺旋構造
なので、大変、
安定していて、修復機能もあります。同じ形を伝えてゆく
という事は
生物の子孫継続には相当に重要な事です。
--------
一方、RNA型というのは、大変、不安定なのです。
RNA型ウイルスというのは大変、不安定で「変異」が出
来やすいのです。
しかも、ウイルスは自己複製のスピードが、ものすごく早
いので、
その分、「変異」のスピードも猛烈です。
当然、時として人類や他の生物にとって重大な意味をもつ
ウイルスも出現する場合があります。
----------------------------
実は、HIVウイルスもインフルエンザウイルスも
RNA型ウイルスなのす。
第一次世界大戦の時に流行したスペイン風邪は
数千万人の命を奪いました。
----------------------------
つまり、現代医学の常識からいえば、ウイルスの進化は、
抗生物質と何ら関係している訳でもないし
今回の新型インフルエンザにしても、それはRNA型ウイ
ルスの
性格みたいなものであって
人間が事の発端に関係している訳でもないのです。
こんな感じの回答でよろしいでしょうか?
----------------------------------------------
余談ですが、1925年位まで世界中で流行した
「嗜眠性脳炎」もウイルス説があります。
何故か、その後、世界中から消滅したらしいのです
が。。。
それを題材にした「レナードの朝」という映画は
主演ロバートデニーロの名演技もあって、
御薦めの作品です。


◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。