獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200104-24

へっぽこ様へ
投稿日 2001年4月4日(水)00時25分 はたの

>企業の場合どうしても『企業での利益への貢献度』
>というものが最初にきますからね…
ボランティアの高潔さを認めた上で、ですが、私企業も捨てたものではありません。鳥のDNA性鑑別を調べたことがあるのですが、国内に引き受けてくれる私企業は見つかりませんでした。アメリカだと20〜30ドル。なにやら酵素の特許が云々と聞きましたが・・・。大学の研究室なら国内でもあり、つてをたどればお願いできないこともない、かもしれませんでした。しかし、つてがない者にとっては存在しないも同然、つてがあっても借りを作ることになります。お金を払うことによって貸し借りナシにできる私企業の提供するサービスも大いに意義あるものです。



>『口内の唾液によってDNA鑑定』
唾液か口腔内粘膜細胞なのか、といつたあたりは専門書をおあたりください。

>他の犬の血液や唾液が残っている
 という状態で急いで鑑定しなくてもいいんではなかろうか、と思われます。

>いわゆる『動物をモノとして(器物破損的な考え方)考え』
>でなくて『人間≒動物、というような動物を人間と同等に考える』
>ような考えが進んでいる国、というのは何処でしょうか?
 意外に思われるかもしれませんが、日本はその有力な候補のひとつでしょう。だからこそ、飼い主でも獣医師でも、殺処分に対する心理的抵抗感が強いのでしょう。誰の調査かちと失念しましたが、飼い主でも獣医師でも、「動物に魂ないしそれが行くべき死後の世界はあるか」との設問に対する答えが、日本と欧米で大きく異なっていた・・・と読んだ覚えもあります。ただし、「進んでいる」のではなくて「残っている」感あります。日本のものに限らずアニミズムはヒトと動物をあまり明確に区別しない傾向がありますから。
 欧米などでは一神教の力が強く、動物はモノとされてきており(原則として動物に魂はナシ)、その反動として、動物の権利ないし動物福祉の考えが生まれてきたものと個人的には考えております。人間と動物を同等に近いものとする考えにおいて「自覚的」なのは欧米でしょうが、すなわち「人工的に無理に」そう考える傾向アリもいえるでしょう。
 日本の動物事情にはむろん問題が多くありますが、単純に欧米を礼賛しても始まらない、と思っております。

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