意見交換掲示板過去発言No.0000-200701-102
Re:Re:Re:Re:Re:雌犬の乳腺腫瘍と避妊手術の関係について |
投稿日 2007年1月18日(木)18時24分 投稿者 プロキオン
>これがプロキオン先生が仰る4頭に1頭も多発する大変な病気のデータです。これでは飼い主はおびえて生活しなければなりません。このデータのようなことが本当にあるのか是非ご教示賜りたくよろしくお願い申し上げます。 私も乳腺腫瘍の発生率が高すぎるので、もともとのデーターがどのようなものか気にかかって、ネットサーフィンしてみました。 で、結論として、田中さんの受け取り方に誤解があったようです。同じ数値のページでしたが、そこには取り扱った犬の腫瘍のうちという文言が最初の方にありました。 そもそもの統計の母集団は、日本で飼育されている犬の数です。その中の腫瘍の発生した犬の集団についての統計ということになります。 犬の乳腺腫瘍は腫瘍のうちに占める割合が多く、腫瘍の約半数を占めていた、これが、1つ目のデーターの正確な解釈でした。それを分かりやすく1000頭に置き換えたようです。 腫瘍の犬何頭のデーターであるかが記載されていませんでしたので、他の数値を一般の犬に置き換えて考えることはできません。 限られた特定条件下のデーターですから、そのまま引用するわけにはいかないようです。 で、私の文章の引用の仕方もおかしいです。私は4頭に1頭の発生は多すぎると言っているわけでして、田中さんの次のような引用の仕方では、初めて目にする者は、私が4頭に1頭発生すると述べていると受け取ると思います。私の発言趣旨とまったく逆になってしまいますよ。この部分です。 「プロキオン先生が仰る4頭に1頭も多発する大変な病気のデータです」 ある研究会の関連サイトのようですから、会員のサイトには同じような記述があっても不思議ではないと思います。 また、実際に多いか少ないかは、簡単に実証できます。 公園でも散歩道でも、あるいはドッグランのようなところで、犬を10〜20頭直接目にしてみればよいのです。26%もの発生率であれば、必ず何頭の乳腺腫の犬に遭遇することができるはずです。決して一般の犬についての数字ではないことが実感できるはずです。 ある病気について1000頭の犬を調査して1頭遭遇したとして、0,1%と比率を出します。でも、1001頭目にもう1頭存在していれば、実際にはその倍近い比率であったかもしれません。 統計は本当はそういう数値の揺らぎがないように真の母集団(日本の犬の飼育数、あるいは世界の犬の飼育数)にそのまま適応することが可能かどうかを検証する必要があります。調査対象を何頭ぐらいのサンプル数をとればよいかが、調査前に検討されていないとなりません。 田中さんが目にされたデーターは、特殊な集団の実数を比率に置き換えたものであって、全体のサンプル数もあきらかではないようです。そのまま身近な犬に当てはまるというものではないようです。 また、記載している先生も 条件を述べていますので、調査結果に力が入ってはいても、広く一般の犬が4頭に1頭発生するとは考えていないのではないでしょうか?
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