どうも「保健所」という機関を誤解されているようですが、保健所の名
誉のために一言。

犬についてであれば、国が「狂犬病予防法」を定めており、未登録の犬
は野良犬として処理する権限（義務）が自治体に与えられています。
各自治体も、それぞれに条例を設けて、これに対応するようにしていま
すが、こと猫に関しては法律も条例も対象としておらず、自治体すなわ
ち保健所もこれを捕獲する権限をもっていません。

自治体は自ら野良猫の捕獲に乗り出さなくてはならない義務は、課せら
れていませんし、そこで働く職員もすすんで猫を捕獲して処分したいと
も考えていません。
飼い猫も３軒先へ行ってしまえば、もう野良猫と区別がつきません。そ
ういう中で、トラブルの元となりかねない捕獲は遠慮したいのが本音で
すし、保健所や管理センターに持ち込まれる猫も、持ち込んだ人間の身
元確認や権利放棄書の提出等、留意しなくてはならないのが現状です。

野良猫問題については、元飼い主の責任であって、「保健所は処分する
所」という見方は改めていただきたいと思います。
義務もないのに、野良犬の流れから、一番嫌な役回りを押し付けられて
いるところなのです。