獣医師広報板ニュース

爬虫類・両棲類・カメ掲示板過去発言No.2000-200603-87

なかなか難しい話しですね。
投稿日 2006年3月15日(水)23時54分 投稿者 とこまだしよ

ばいかだ さん

クリプトスポロジウムに関する興味深い報告、ありがとうございます。
個人的にはクリプトスポロジウムの寄生状態から、活性炭でも数を減らす程度にしか
効果がないようにも思います。
in vivoでの成績でも良い結果が出るとよいとは思いますが・・・んーなかなか。


サルモネラ菌に関しては非常に複雑な問題で簡単には理解するのは難しいと思います。
通常は食中毒を起こす菌で、人間に特に病原性を示す血清型(種類)は限られています。
10歳未満の乳幼児やお年寄、免疫抑制状態の方には髄膜炎や敗血症などの重篤な病態に
なるリスクが高いと言われています。
経口感染しますが、一定量の菌が入らないと発症はしないでしょう。
その為には手洗いにより菌数を極力減らす事は感染の危険をへらす効果はあると思います。
爬虫類以外にもその他さまざまな動物が人間に病原性の高いサルモネラ菌を持っている
事があります。
サルモネラ菌を持っている爬虫類も、健康時にはサルモネラ菌を排出していないことが
多いので検査で白黒・・・いや白と断定することはできませんし、予防的に
抗生物質を飲ましても効果はありません。

実際にははたのさんが言われているとおり、あまり神経質になる菌ではないとは思います。
これほどの生き物が人間と一緒に暮していて、身近にいる菌でも重篤なサルモネラ感染症
を発症するのは宝くじの1等を当てるより何倍も確率が低いですから。
但し、私としてはやはり上記のようなリスクが高い方がいる場合には、
やはりある程度は意識されていた方が良いと思います。・・・という姿勢でいます。
今回のように1つのことでも重篤な状態になれば、過剰な反応がおこり、それって
適切なの?という規制がかかる可能性が起こりうるからです。

例えば衛生的でない飼い方をしていて、飼育水などに高濃度にサルモネラ菌が含まれる
状態を作ったりすれば問題となることもあるでしょう。
実際今回のケースでも、不幸にもそれが起こってしまったバックグラウンドというか
どんな飼い方をしていたとか、お子さんとカメとの接触状況とか、どのような状況が
不幸にも重なりそれが起こったか、それをあやふやにして何ら発展的な対策は
打てない気がしますが・・・。

私はサルモネラ菌の専門家でもありませんし、医師でもないので間違った認識があるかも
しれませんのでその辺は話し半分でご理解ください。


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