動物看護師掲示板過去発言No.7000-200104-96
人間社会 そして動物病院 |
投稿日 2001年4月28日(土)15時25分 Vet AKI
臨床検査の件ですが、参考になればと 長いですが、引用します。 いわゆる臨床検査所の報告する検査結果に誤りがあった場合、たとえば、検査の ミスあるいは誤記から、低血糖患者について高血糖の報告をし、それを真実と 誤信して、医師がインスリン注射ないし経口剤を投与したところ、患者が 低血糖ショックをおこしたという事例で、患者に対する損害賠償責任は誰が負うのか。 1、患者は医師と通常診療契約を締結するとされるから、この低血糖ショックを 債務不履行として、契約責任を求めるという法律構成をとれば、契約責任者である その医師のみが責任者である。医師が自ら血糖定量を検査しようと、いわゆる 臨床検査所に、採血した血液を送って検査を依頼しようと、患者と特約なきかぎり、 契約当事者たるその医師の責任においてなされるのである。この場合のいわゆる 臨床検査所は、その医師の契約履行上の補助者にすぎない。 2、患者が、この低血糖ショックについて、インスリン投与を、その医師の不法行為 としてとらえ、不法行為責任を求めるという法律構成をとれば、その医師自身に 過失、たとえば、かかる無責任な臨床検査所に依頼すべきでなかったこと、 あるいは、その報告を鵜呑みにすべきではなかったこと、他の検査方法をも とるべきであったこと、患者のその他症状の判断で低血糖の診断がついた はずであることなどがあれば、その医師に不法行為責任(民法709条)がある。 3、患者がこの場合、医師に対して民法715条の使用者責任を求めるという 法律構成をとれば、いわゆる臨床検査所については、その医師との間に同条でいう 使用関係責任が成立するから、その責任をおうことになる。 4、患者が、医師及び臨床検査所を共同不法行為者として、ともに相手方として 賠償責任を求めるという法律構成をとれば、その医師およびいわゆる 臨床検査所は、患者に対して、不真正連帯債務者として賠償責任を おうことになる。 以下、略します。 つまり、動物病院にあてはめて考えれば、VTの検査ミス・報告ミスも獣医師の責任 ということになるでしょうね。 検査結果に基づいて行われる医行為が、リスクの高いものは、 危険ではないでしょうか。リスクの高さの認識が、獣医師によって違うと言うことでしょう。 動物病院は、あくまで、社会の一部であることを忘れないでください。 外からみたら、「現実はこうです」とか、「先生の考えでちがうんです」とかは 通用しません。医行為はミスと表裏一体です。 前にも言いましたが、「動物」の位置付けが、低いんですよ。 人間が人間のために作る法律なんですよ。 ルールを作らないと、困ってしまうので作るんです。 誰が? 被害を受ける人です。 法律論者みたいですが、世の中の冷酷な現実なんです。 今の世の中では、「ペット」は趣味の世界なんですね。 「心」の世界なので、法律が踏み込みづらいんですね。 産業動物は、ちがいます。口蹄疫の処置をみたら、わかりますね。 大量殺戮ですよ。合法的な。 バブル崩壊の前まで、お金かせげる人が一番偉くて、 直接かせがない、子供・専業主婦・年寄り・動物は、 お金食うだけの存在と、いうのが、男社会日本の常識だったんですね。 今でも、そう思ってる人、いっぱい、います。 保育園のチャボにウサギ、子供の拾ってきたカエルにスズメ どれだけ、「ただ」で診療することを要求され、してきたことか。 勉強だ・動物のためだと思ってしてきましたが、 「獣医さんて、そうするのが、当然でしょ」みたいに言われたら、腹たちますよ。 でも、21世紀は変わると思います。変わってほしいです。 ・・・忙しく、疲れています。ちょっと、まとまりませんがお許しを。 それから、カキコをHPのとのことですが、ご自由にどうぞ。 ただ、一部を抜きだされると、誤解が生ずることもあると思うので、 その辺、ご配慮願います。私が言葉足らずのせいもありますが、 言葉って、一人歩きするときありますから。 そういえば、「お手伝いのお姉さん」って言われてつらいんですね。 もう、開き直ってください。 「看護のあおいと申します。よろしくお願いします」 「お手伝いさせてくださいっ!」て。 自己紹介と挨拶、きちんと、してください。 私だって、さんざん、いわれましたよ。 「奥さん」「看護婦さん」「おばさん」もう、動じません。 動じたらダメですよ。やることやってたら、次は、ちゃんと、 「看護婦さん」って言ってくれますよ。 飼主に(世の中)に認めてもらうことが大切です。 身をもって、示してください。 それから、介護者の件ですが、これは、人間の世界ですが、 参考になる話が多いので、私は注意を払っています。 ヘルパーさんは、認定資格ですが、介護福祉士は国家資格です。 介護と看護の、すりあわせも問題が、色々起きているようです。 以下は、某掲示板のかきこみです 23、介護と看護の境界線 1999・8・18 お仲間の現役ホームヘルパーさんとの話は、とても学ぶ事が多いです。 さまざまな経験、実例の中で、いつもヘルパーさんを悩ませる、どうしようもない問題がある ことがわかりました。 それは介護と看護の境目の問題です。 具体的には、おむつ交換時、蓐瘡(とこづれ)が ひどくなっていることが分かっても、薬も塗 ってあげられない。 痰がからんで苦しそうでも、手当てをしてあげられないなどです。 何故でしょう? これらは医療行為になってしまうからです。 法律に違反してしまうのです。 看護婦さんには出来ても、ホームヘルパーには出来ないのです。 ヘルパーさんにはその為の細かい規定が、数多くあるようです。 例えば毎日飲んでいる薬と水を、手にのせてあげるまでは良くて、口に薬を入れてはいけない。 背中がかゆいと言われても、軟こう等を塗ってはいけない。などなど・・・。 そうなると、心あるヘルパーさんほど悩んでしまうでしょうね。 注射したり点滴したりするわけじゃないのに。 ちなみに糖尿病の患者さんに、インシュリンの注射を本人または家族がするならいいんです。 痰をとってあげるのも、浣腸をするのも、たとえ小学生であっても家族ならOK! どんなに経験と知識があってもヘルパーさんではダメ! なんか変ですね。 利用者の立場にたてば、一緒にお願いしたい事でしょう。 でも、法律を変えなくては出来ないのです。 違反を承知で、行わざるを得ない現状も伝え聞きます。 医師会でもこの辺を指摘しているようですが、どうなるのでしようか。 もっと柔軟に対応してほしいけれど、柔軟になりすぎても問題だし線引きが難しそう。 私ごときが、とやかく言う事ではなさそうです。 今後介護保険になり在宅でのサービスが増えてくると、この問題はますます大きくなってくるでしょう。 御専門の先生方の、良識ある見解と努力に期待したいところです。 人間社会が必要としたので、介護保険がやっと、はじまったんです。 時代と社会のニーズがないと、法律は動かないことの、いい例だと思って だしました。あと、疥癬の話は、パラメディカルの人を含めた医療側の 受けるリスクの問題です。医行為に近いほど、受けるリスクも大きいという話です。 とかく、動物病院の中だけの話になってしまいますが、 世の中での位置付け、一般の人の考えというものに思いを寄せて 広い視野で考えてください。 でも、絶対に言いたいこと、 それは、動物を危険にさらさないということです。 ヒポクラテス曰く。「First do not Harm」(益をなせ。害をあたえてはならない) 超長文、お読みいただき、ありがとうございました。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |