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冷血 |
1967年 アメリカ 犯罪
<監督>リチャード・ブルックス
<キャスト>ロバート・ブレイク , スコット・ウィルソン , ウィル・ギア
<ストーリー>
アメリカ、カンサス州の田舎町で、農場主一家四人の惨殺死体が発見された。犯人に繋がる物的証拠は、ほとんどなかったが、ある証言が元になって、二人の犯人がつかまった。彼らは、殺された農場主の家にあるという、金の詰まった金庫を目当てに犯行に及んだのだが・・・。
<感想>
原作「冷血」、映画「カポーティ」、そして、この映画を見てみました。
40年以上前の映画です。モノクロですが、そのせいで、怖ろしさ、悲惨さが、さらに際だって感じられました。
経過を追ってみると、事件が起こったのが1959年。犯人の死刑執行が、65年4月14日。そして、本が出版されたのも同じく65年。映画が公開されたのが67年です。映画「カポーティ」の中でも描かれていたように、カポーティは、彼らの死刑が執行されるのをじりじりしながら待っていたことを伺わす早い出版と、映像化でした。
作品は、133分という長さですが、原作を読んでいたので、そんなに長いとは感じませんでした。むしろ、ペリー・スミスの過去の話などが一部省かれているのが、残念なほどでしたが、うまくまとまっていると思います。特に、前半、犯人二人と、被害者家族とが交互に映し出される構成は、時間の経過と、これから起こるであろう、悲惨な結末が想像されて、緊迫感を高めていました。
父親思いのディック・ヒコック。直前まで迷いを持っていたペリー・スミス。
惨殺へと彼らの背中を押したのは、いったい何だったのでしょう。
あやふやな情報と、周到な準備。そして、証人はお互いだけだという思いこみ。なにか、アンバランスなものを感じます。
最後の処刑場のシーンは、「カポーティ」とよく似ていました(というか、こちらが先ですが(^^;)。ああいうシーンを見せられると、どんな極悪人だとしても、人間の手で、人の命を奪っていいものなのか、疑問に思えてしまいます。それほど重いショックを受けるシーンでございました・・・。
写真で、犯人二人を見ましたが、映画の中の二人とそっくりでした。事件の記憶が薄れない時期での映画化だったので、当時映画を見た人たちは、驚いたのではないでしょうか。(2008,02,27)
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