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IT
スティーヴン・キング    訳:小尾 芙佐


少年の日に体験した恐怖の正体は何だったのか? 二十七年後、引き寄せられるように故郷の町に戻り、IT(それ)と対決する七人 (内容紹介より)



映画化されるというので再読しました。
と言っても、読んだのは、大昔。ということで、内容を全く覚えていないのには、驚きました。いつものことですが・・・(^_^;。

そんなふがいないワタクシがいうのもなんですが、やはり、この作品は、キングの最高傑作の一つであることは、間違いないです。
何しろ、面白い!

アメリカ、メイン州の小さな町、デリーで起こった子供連続殺人事件を発端に、 その犠牲者の一人であるジョージの兄、ビル・デンブロウが、仲間とともに、その事件の真相に命がけで迫ります。

このような少年たちの冒険譚は、「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせ、ワクワクドキドキなのですが、本作「IT」は、それだけでは収まりません。
まさにそれは、年月を挟み、人生をかけた命がけの戦いへと進んでゆくのでした。

はたして「IT」の正体とは何なのか。
その驚くべき真相に刻々と近づいてゆく様(さま)は、まさに、地獄への道。
大人は頼りにならず、頼りになるのは自分たちだけという状況で、恐ろしい相手と対峙しなければならないという、絶望的な戦いです。
そんな彼らを勇気づけ、力づけるのは、仲間たちとの固い絆だけなのでした。

そして、彼らがたどり着いた真相とは??

それから27年後、一本の電話によって、彼らは、仲間と再会し、そして、再び「IT」と対峙することになります。
その時になって、彼らは、真の「IT」の正体を知ることになるのでした。

7人の子供たちは、キャラクターがはっきりと描かれていて、それぞれの「IT」に対する恐怖も、ちょっとずつ違っています。
ただ、7人も出てくるので、名前とキャラクターが時々ごちゃごちゃになってしまうので、ちょっとしたメモが必要だったことが、少々情けなかったです(^_^;。

亀とか、ラストのボスとか、先日読んだ「ダーク・タワー」との相似点が色々あるのも、面白いです。
キングは、きっと、蜘蛛が大の苦手なのに違いありません(^▽^)。
また、相変わらず、キングは、日本びいきらしく、ソニーとか、キリンビールとか出てきて、その都度ニヤリとさせられました。

とても満足して読み終わったのですが、子供時代の彼らが、最終局面で行った行為(ベヴァリーを中心とした)だけは、いくら何でも余計だったように感じて残念でした。 (2017,06,20)




原作    「IT」
TVドラマ版 「IT イット」
前編    「IT イット”それ”が見えたら、終わり。」
後編    「IT イットTHE END”それ”が見えたら、終わり。」


「ダーク・タワーT ガンスリンガー」
「ダーク・タワーU 運命の三人」
「ダーク・タワーV 荒地」
「ダーク・タワーW 魔道士と水晶玉」
「ダーク・タワーX カーラの狼」
「ダーク・タワーY スザンナの歌」
「ダーク・タワーZ ダーク・タワー」