許されざる者 |
1992年 アメリカ 西部劇
<監督>クリント・イーストウッド
<キャスト>クリント・イーストウッド , ジーン・ハックマン , モーガン・フリーマン , リチャード・ハリス , アンナ・トムソン
<アカデミー賞>作品賞・監督賞・助演男優賞(ジーン・ハックマン)
<ストーリー>
ある西部の町で、娼婦がメッタ刺しにされた。怒った娼婦仲間たちは、刺した男に賞金をかける。しかし、町の保安官は、賞金目当ての荒くれ者たちが町をうろつくことを許さなかった。そんなある日、かつて悪名を馳せていたガンマン、マニー(クリント・イーストウッド)の元に、賞金稼ぎの誘いが来た。貧しい生活に見切りをつけたマニーは、その誘いに乗って、町を目指す・・・。
<感想>
★2007年は名作を見よう★第11弾★
西部劇というのは、日本で言うところの時代劇でしょうか。
勧善懲悪になりがちなジャンルという気がしますが、この映画は、そんな昔ながらの西部劇ではなく、リアルな世界として描かれています。
悪名高いガンマンは実は、家族思いの男だったり、名ガンマンと誉れの高い男は、実は、運がよかっただけだったり、そのほかにも、近眼のガンマンがいたり、主人公がいきなりボコボコにされたり・・・(^^)。そんな人間味溢れるストーリーが進んでゆきます。
登場人物それぞれにドラマが感じられて、2時間ちょっとの作品ですが、内容がとても濃かったです。
ストーリーは、年老いたガンマン、マニーが、子供の将来のために賞金稼ぎを決意するところから始まるのですが、驚いたことに、幼い子供を、あの荒野に二人だけでおいてゆくというのです。今では、こんなこと、思いつきもしないことで、びっくりしましたが、あのような状況では、しょうがないんですね。
しかも、彼ったら、馬には、うまく乗れなくなっているし、射撃の腕もだいぶ鈍っている様子。
そんな彼と、年老いた昔の仲間、そして近眼のガンマンという、今までのガンマンのイメージとは、かけ離れた3人組が、賞金稼ぎをしようというのですから、まるでコントのような話なのです・・・(^^;。
方や、町を守る保安官は、肝の据わった男で、町にやってくるならず者をボコボコにして、追い出してしまうド迫力の男。
とても無事に賞金を手にして帰れそうにもない3人なのですが・・・。
当たり前のことですが、撃ち合いになれば、人が死ぬ。賞金稼ぎをすると言うことは、相手の命を奪うということ。他人の命を奪ってまでもしなければならないこと・・・。そんなことがあるのかないのか・・・。少なくともマニーは、その重さをしっかりと背中に背負って、それからの人生を生きていったのでしょう。
ラストのイーストウッドは、かっこよすぎです。しびれます。酒を飲む後ろ姿が、これほどキマる人がいるでしょうか。
この映画は、この年のアカデミー最優秀作品賞に輝いています。
無冠だったクリント・イーストウッドに、初めての栄誉をもたらした作品です。
主演も演じた彼ですが、年老いたガンマン役を味わい深く演じています。
そして、荒くれ者をこっぴどくたたきのめす、憎々しい保安官を演じたジーン・ハックマンが助演男優賞を受賞しました。(2007,09,19)
★2007年は名作を見よう★
第1弾「風と共に去りぬ」
第2弾「ウエスト・サイド・ストーリー」
第3弾「大脱走」
第4弾「ネバーエンディング・ストーリー」
第5弾「チャンプ」
第6弾「シャイニング」
第7弾「グローリー」
第8弾「パルプ・フィクション」
第9弾「ロッキー」
第10弾「ロミオ&ジュリエット」
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